卯月 (十二支の卯の月、苗植月:ナエウエツキから転じたとも)
4月になって暖かくなった。で、問題も新たになって変異種がどうやら相当数この国を支配しているようだ。他の国、早々にワクチンを打った国でも感染者の増加は止まっていない。本当に不思議なのは人が速いスピードでワクチンを開発すると、ウイルスも即応して行く。
4月1日:手を合わす地蔵まといし桜花(桜が散っていれば完璧だったが近くに桜は無し)
桜が散り終わりそうなので、また北鎌倉へ。久しぶりに東慶寺に寄る、落ち着いた感じのお寺、人出もほどほどだった。境内で見た優しい顔立ちのお地蔵さん、江戸時代から女人救済の駆け込み寺、縁切り寺として知られていたから、女の子のお地蔵さんかな。
4月2日:春昼の駆け込み寺の射干の花 (シャガ:射干、著莪、胡蝶花)
東慶寺内、お墓に行く坂道沿いにシャガの花。シャガが釈迦に聞こえるのは偶然かな。
4月3日:深呼吸桜花散る向かい風
(建長寺の庭、散った花びらが敷き詰められたかのよう、奥に芍薬が咲いていた)
誰そ彼れや振り返る影花落ちて
(誰そ彼れ=たそがれ:黄昏、夕方。)(彼は誰=かわたれ:明け方)
4月4日:紅コウジ今宵は皿に桜餅(桜色になった餅米を手で搗いて、食後の桜餅。)
因果応報1:<悪因悪果⇒善因善果へ>因果応報の意味を勘違いしていました。間違ったことをしたから悪い結果が出たことを言うのかと思いましたが、良い行いは良い結果を生み、悪い行いは悪い結果が出るという当たり前の教えでした。お釈迦様スミマセンでした。
数年前から海岸に行くと、小さく綺麗な色の破片が目立っていたが、ほぼ気にしていなかった。プラスチックゴミが人間に環流する(4月4日、東京新聞)日本人の年間推定摂取量:13万個。マイクロプラスチックが魚介類に食べ物として取り込まれ、それが最終的に人間の食料として環流してくる。伝統的に魚介類の食事が多い国は当然、摂取するプラスチックも多い。香港が一番多いが日本もその典型だ。買った魚も内臓を取れば大丈夫、とは言いきれないかも、加工されれば混在は防げないし。身の回りのプラスチック製品をどう減らすかが鍵かな。レジ袋をイカと間違いウミガメが飲み込む。蒲鉾の中のプラスチックを私が飲み込む。寿命が残り少ないから病院では無視される?
因果応報2:<悪因悪果⇒善因善果へ>
エボラウイルスと人間の接点は、経済目的の熱帯雨林の開発が急速に拡大して、コウモリやチンパンジー等との濃厚接触の範囲を広げた。つまり、人がウイルスを呼び込んだ形だ。また、人から人への伝染は家族などの看病により広がり、皮肉にも人の優しさが要因だった。コロナウイルスも野生動物から人間が呼び込んだ。コウモリから他の動物、そして人間へ。
因果応報3:<悪因悪果⇒善因善果へ>
人間も野生と長らく共生してきたが、近代は経済活動の飛躍的拡大で大規模な熱帯雨林の大量伐採などで野生とのバランスが大きく壊れてきている。大きな要因は経済優先という人間の事情で自然界を破壊している現状だ。地球は人間だけの物では無いが、もはや人間だけがバランスをとる力を持っているというパラドクス。人間が豊かで過ごしやすい世界を実現しようとするのは当然だが、それは地球環境の破滅を招く、と言うパラドクス。
因果応報4:<悪因悪果⇒善因善果へ>
経済とは本来、経世済民=人々が豊かに生き生きと暮らせる事の筈だった。現実は高度に計算し構築された利益最優先が経済活動の実体になっている。誰もが利益享受者の中に入りたいが、結果として富の配分は一部の人が独占し、大多数は貧困にあえいでいる事実。これは経済の本意とは乖離している。頑張っても報われない、約束が違うじゃ無いか!
因果応報5:<悪因悪果⇒善因善果へ>
家畜という動物達、人が長い年月で育て共生しつつ利用してきたが、かなり前からまちがった利益最優先の経済観念から、家畜を生き物では無く生産材として管理するようになった。ケージに閉じ込められた鶏、豚、牛など。鳥インフルエンザ、豚熱などが発生すると一気に数千~数万もの命を奪う、殺処分として土に埋めたり焼却したり。その扱いには命への尊厳など微塵も感じられない。無論、育てている人達は望んではいないのだが感染症だからと一匹一頭を治すのでは無く、一斉に殺して埋める。これは大量殺戮では無いだろうか?そうしないと防げない?ならば集中した飼い方を見直した方が良いのでは?公園に仕掛けられた罠に捉えられた、スズメバチ。刺されたら危険、でこうなった、う~む。
因果応報6:<悪因悪果⇒善因善果へ>
人間は野生を破壊してでも、自分達が安全で豊かで心地良く暮らせるユートピアを造ったつもりだったが、実は弱者、強者の差別化を促進していた。結果として、その一部のみが富み、多くは貧者、広範囲のスラム世界が出来上がっている。日本も派遣業の拡大以降、実質賃金は低下、人の価値が貶められている。特に貧困が女性に顕著に多いのがこの国自体の貧困だと感じる。
<善因善果>
自然との共生を目指して行けば、いかに遠回りでも結果は変わってくるだろう。なのに、私達はどこへ行くのだろう。考える事ぐらいしか出来ない。
4月5日:歳時記に花冷えの季語背筋さぶ(一旦暖かくなって冷えると、きつく感じる)
雨模様で夕方は久しぶりに足元が寒い。ストーブを仕舞わなくて良かった。
4月6日:山吹や一重も八重も山吹や (寒の戻りか、朝から寒く久々にストーブを焚く。)
(七重八重 花は咲けども山吹の 実のひとつだに無きぞかなしき)太田道灌の逸話。
狩りに出かけた太田道灌、突然の雨に降られ近くの百姓家で簑を借りようとするが、出てきた少女は、一枝の山吹を差し出すのみ。後になって、貧しく雨よけの簑も無いことを伝えた事に気がつき、己の勉強不足を思い知った。今読むと、難しい謎かけなんか分からんよ!という感じ。でもこんな和歌で意思表示が出来るのは、日本語の面白さだと思う。
<デジタル庁について>
デジタル庁を今年発足させる政府の動き。64もの法案を一括審議、すぐにでもやる構えだそうです。台湾や韓国、欧米や中国でもコロナ対策で大きく注目されたデジタル化、でもこの国では何だかすっきりしない状況になっています。
元々が膨大な個人情報を業績向上の為に活用したい経済界、大企業からデジタルトランスフォーメーション(DX)の名前の元、職員500人中に100人もの人員を入れてくるとか。乗り物が正義のロボットになったトランスフォーマーとはかなり様相が違う雲行きです。100人の人は純粋な技術者というより大企業の利益を優先する集団になりかねません。
コロナ対応の給付金対応、行政から民間大手の電通へ、そしていくつもの孫請けなどに落とされ、必要な時期に必要な補助が受けられなかった事実は、今の政府と大企業の連携が何を意味するのか教えてくれました。税金をむさぼる利益優先の癒着だったのです。無論、全ての大手企業がそうでは無いのでしょうが。懐かしき?アベノマスクも同じ構図でしたね。今、自国民に銃を向けているミャンマーの国軍関連企業との連携だったとか。
皆の役に立つ、デジタル技術は大歓迎ですが、どうもスノーデン氏が告発したインターネットの基幹を握っていた米国が通信内容を傍受している、みたいな今一信頼が置けない政府に、私達の個人情報が全て捕まれてしまう、というのは恐怖でしか有りませんね。中国のように完全に管理されても困りますし。だからまだマイナンバーカードも作る気になれない。
私達が納得できる管理体制が創られた上でならぜひ、今のドタバタしたコロナ対応をスッキリとスピーディに運用できるシステムに変えて欲しいけど、いままでのコロナ対応、ワクチン運用などで一番大事な、信頼感が持てない状況を散々みせられている私達は、疑い深くならないと将来に禍根を残しそうです。
その上、大企業の儲けや、個人データー流出で詐欺にも活用されそうな状況では、一気にやらずきちんと話し合い、その内容を私達に開示する手順を踏み、安全策を講じた上での、納得できる制度設計にならないと賛成できませんね。結局、一方的に数の力で押し切って来ている、そのくせ中身が無い、今の政権運営では危険だと言う思いしか持てません。
<悪因悪果>まだGoToトラベル再開を云々しているのが重鎮では、本当に日本沈没です。
4月7日:叢の霞の中に野生の眼(霞、カスミ:春の季語)
叢=クサムラの中の鳥を撮る、手前の草が被りピントが合いにくいが、霞む色も面白い。
久しぶりに里山公園に野鳥を探しに行く。昨年のこの日、アカゲラに遭遇したのが、忘れられず同じ夢を見に行くが、結果は残念な事になった。ほぼめぼしい野鳥には出会えずふて腐れて帰る前に、三人の人が固まっていたので様子を見に行くと、何やら鳥が飛ぶ影。後で聞くと何とアオゲラが居たとのこと。運が良ければ会えるよ、と言われ一人の人はさっき見たとも。その後もう一度粘ったが、結局会えなかった。(泣)竹藪でタケノコを見ただけ。
早くもツバメが舞っていた。飛んでいる姿は捉えきれないが、2羽が田圃におりていた。
池では草の影にカモたちが集まり休んでいた、リラックスしまるで隠れ家に居るかのよう。
何やら木陰でウゴメク影はヒヨドリでした。
4月8日: 春の沢ミソサザイの音澄み響く
この日、昨年5月に緊急事態宣言の為、駐車場がクローズだった日向川キャンプ場に行った。今年は駐車出来たし、すでに沢山の車が駐まっていた。キャンプ場入口の階段脇に渓流から落ちる小さな二段の石積ダムがあり、すでに3~4人のカメラマンが撮影していた。
聞くとカワガラスが今年の一番仔を終えて、次の営巣がはじまっているとのこと。一緒に見ていると、聞き覚えのある元気良い囀りも聞こえた、ミソサザイも営巣したらしい。交互にやって来る鳥達に嬉しくなり沢山の連続撮影をした。ダム壁の窪みに巣を作るカワガラス、泳ぐのも得意で水生昆虫が餌。それで、暫く水に入った後は岩場で水を切って乾かす。
地味な色合い、カワガラスと言う名前で体長は20cm位、鳩よりは小さい、河原にいると周りの色に溶け込む。眼が白いのは瞬膜で目を閉じたから。鳥だけにある目を潤す膜。
定期的に、落ちる水の後ろの窪み、巣に入るが、時々上手くいかず水に落ちる事もあった。
久しぶりのミソサザイ、日本で一二を争う小さな野鳥、体長10cm位、視力が落ちてきている身には見つけるのが難しい。他の人の様子を見たり、親切な人に教えて貰ったり。暫くしてやっと自分でも見つけられるようになった。裸眼で見ていると本当に小さな点のよう。
飛んでいくのも素早くてすぐに見失ってしまいます。体は小さいけど囀りは大きい。
午後は出る回数も減り代わりにキセキレイが来たり、渓流の枯れた穂にホオジロが止まっているのを見つけたり。ホオジロは穂を咥えて集めているような様子だった。巣の材料だろうか?カワガラスは河原で見つけた枯れ葉を咥えていた。苔で巣を作る筈だが?
黄セキレイ、やっぱりいつも見なれた白セキレイ、背黒セキレイより綺麗だ。
ジャンプ!影が清流の岩に映る。久しぶりに水も空気も綺麗な場所に来た。
午後、キャンプ場を後にし、昨日の里山公園にもしやの期待を込めて寄る事にした。午後3時過ぎ着。30分ほど歩き回るが見つからず、人も減ったので昨日の人が撮影していた場所辺りにカメラをセットして待つ。昨日、飛ぶ鳥が見えた位置の枝を目標に暫く待つと、何か白っぽい物が!多分、鳥が止まっている。ドキドキしながら望遠でピントを合わせる。どうやらアオゲラのようだ!
久しぶりに、生きていて良かった!と思えた。初めて見るアオゲラが黄緑がかった体色なのも、知らなかったし頭の後ろと目の下の赤い模様がとっても綺麗だった。後で調べると頭頂の赤い色が後頭部だけの場合は雌らしい。今回会えたのは雌のアオゲラのようだ。
この子は何と約35分も同じ場所にいてくれた。野鳥はこちらに気づくと逃げることが多いが、多分夕方で公園に来た人も減り、連続シャッター音がキツツキのドラミングのように聞こえたのでは?と勝手な想像をしている。こっちがレンズ越しに見ていることは分かっているはずだが、逆にこちらを観察している感じがした。でも、手押しカートを押したお婆さんが通ったら、ガタゴトという音のせいか飛んでいった。会えて嬉しかったよ。
赤いフリージアも花壇の隅にポツンと出ていた。昨日の写真データ整理で目が草臥れたけど、可愛い花に少し癒やされる。
4月10日:俯瞰するピント調整花水木 (そのままだと暗め、下から見上げスローで撮る)
花壇にハナミズキがある。なぜか小さい木のままで花も年々小さくなった?周囲では綺麗なハナミズキが見られる様になったのに、と思っていたらやっと花をつけた。
4月11日:垣根越し蕾はじける長閑さや (長閑=のどか、春の季語)小手毬、ハナミズキ、ツツジ等も咲き始め、散った桜に代わり色々な花が楽しませてくれる。
4月12日:青信号桜蕊降る道の先(桜蕊降る、が季語。花が散った後、シベが散る。)この日はまるで初夏のような暖かさ、近所の庭も花が賑やかになってきた。マスターズゴルフで松山英樹氏が優勝!コロナで沈んでいた気持ちを明るくしてくれた。
4月13日:小手毬の花団子揺れ時雨前(どうやら夜半から雨が強まるらしい)
4月14日:繰り返す尻尾振り外交春寒し(全力でやるべきは足元の感染対策なのに?!)
トリチウムの海洋放出、副総理が「飲めるんじゃあねえの?」と発言、相変わらず偉そうな物言い、政府機関はゆるキャラにして安全をアピールする。でも一番のビックリは2018年に近畿大学で実用化に向けた研究がなされ、政府の補助金申請まで行っていたのに、無視していたこと(14日東京新聞)東電も本気で検討もせず政府と一体で海洋放出を決めた。確かに他の国でも海に流しているらしいが、日本が安全性を高めた技術を確立したら、商売にもなるだろうに、素人以下の感覚も無いのが今の政府かと感じる。海はゴミ捨て場じゃ無い。
4月15日:花冷えや気持ちもすさむ聖火リレー(祝福されない祭典見るより死にたくない)
やはり変異種による新たな感染拡大が大阪から各地に、東京圏もじきに同じ状況になっていくだろう。ワクチンのドタバタは根本の供給数が増えなければ効果も発揮できない。去年を思うと、最悪のデジャブーだが、今の状況では「ロックダウン」の実施が人の命を守る為には効果があると思う。皆の生活の最低限保障を、この国の政府が真剣に行えればだが。正直、コロナの言葉に慣れた感じはあるが、今の状況は一年前より厳しいと感じる。
とても残念ですが、出来る限りの自衛をする事しか無さそうです。気をつけましょう。