つぶやくdorotanuki

小さい穴から見える外界の様、過ぎる時代への雑感をつぶやく

九月 長月

今年の八月は、いつも以上に猛暑と大雨が多かった感じがします。そしてオリンピック開催でコロナ感染の大爆発、医療逼迫を招き自宅療養が急増する中、亡くなった沢山の人達。信じられない異常な出来事も、普通の事のように錯覚していく中で、ブツブツつぶやいてみました。

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法師蝉子規詠む景色遠ざかる(法師蝉:正岡子規、ツクツクボーシツクツクボーシバカリナリ

疫病に死ぬ人多き夏となり(江戸時代では無く、令和の世なのに政治の不作為で命を落とす人々)

秋立ちし後の猛暑に焼かれおり(気温上昇が1度強でも、気候変動の怖さを実感する日々。)

赤とんぼスイッスイ涼し朝の風(トンボの交互に飛ぶ動き、路面に写る影にも涼しさを感じる)

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九時丁度エンター空振りコロナ秋(PCも準備万端、9時丁度の入力!ワクチン予約取れず!)

便利な筈のデジタル予約、用意した数と申し込み件数が違いすぎて役立たず。結局、いつものクリニックで予約が取れた、すべてアナログだ。デジタル化は手段、この国にデジタルのシステム構築を理解した指導者はいないようだ。家族の接種がなんとかなりそうで一安心だけど。

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アフガンの二十年目や険し夏(8月17日タリバンがカブールを奪還、20年目の米国敗戦)

置き去りの五百人良かったと言い(難しいミッション、でも一人だけ乗せ帰ったと言う!絶句)意味が伝わらない首相コメント。自衛隊機三機も飛ばして、結果1人は敗戦じゃん!

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9月1日(水) 長月の声聴く頃や頬の風(秋雨前線の影響で久しぶりにひんやりした風)

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9月2日(木) 二十五度夕方に見る秋となり(ほぼ30度を切らなかった日々に変化が出てきた)

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9月3日(金) 唐突や万策尽きて秋の風

驚きのニュースが日本中を駆け巡った。菅総理、総裁選不出馬。コロナ対策に集中したい?

実態は、オリンピックの失敗、選挙は横浜市長選も含め全敗、党人事も行き詰まり出られなかった様です。今後は9月29日の任期まで次の総理に誰がなる?というニュースで私達の耳目を自民党に集中させ、失政の批判を期待に変え選挙を有利にする。すでに、意味もなく野党がだらしない、というステレオタイプのマスコミ報道も始まっています。憲法に沿って国会を開き、国民に開かれた政治の対応では無く、内部のお手盛りで進めるコロナ対策、経済緩和策(GoTo?)までも発表しています。結局、首相二人が続けて政権を投げ出した形で、最後まで無責任です。

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9月6日(月) 蜘蛛と我互いに蹲踞(ソンキョ)秋の宵(拳大の蜘蛛!互いにビックリ見つめ合う。で、)

意を決し足高蜘蛛よ御用なり(紙筒に入れ、何とか外に。でもゴキブリ捕食の守り神とも)

9月7日(火) 腰引けてアシダカグモと秋夕焼(先日出したのに今日また居た!で、また外へ)

舞い戻ったデカ蜘蛛、仲良くしてゴキブリ専任で雇いたいけど、言葉通じないし無理かなあ?

アシダカグモ:足高蜘蛛。25cm位の体長で夜行性。暖かい地方に多い、ゴキブリやハエなどを食べる、益虫だそうです。放っておくのが一番良いとのことですが、つい見た目で外に出しました。ゴメンね。この蜘蛛、此処では初めて見た感じがするけど温暖化で増えたのかなあ?(写真はバッタです)

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今回のコロナ対策」2019年末のクルーズ船から始まり、感染拡大の中で多くの中小零細企業、特に飲食、観光業などの個人消費に頼る業界から倒産、廃業が頻発。また非正規雇用が多い中、生活困窮者も救済されていません。この夏に開催されたオリンピックで感染爆発を招き、国家の衰退にトドメを刺した政権は、存続の価値があるのでしょうか。今、総理大臣が職務を投げ出した政党、いままでの対応を、冷静に評価して選挙で審判を下す時だと感じます。単に数字でしか表されない、死亡者の数。数字の一人一人に人生がありました、誰が責任をとるのか!!

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9月10日(金) ビリージョエル素顔のままで秋の風

久々の晴天。昼は30度で蒸し暑かったが、風が秋らしくなった夕方。

古い曲だけど、Just the way you are 素顔のままで、と訳された曲、何となく秋に似合う曲かな。

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9月11日(土)金星を下げて三日月秋の宵

(夕方きれいな三日月が見えた。下に金星だと思う星が、光っていた。)

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9月12日(日)道ばたの白花ぬらす秋驟雨

(帰り路、にわか雨に降られる、足下を見やると白い花が開いていた。得した気分)

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9月13日(月)文化鍋 渋皮煮跡 秋深し

電気釜から文化鍋で飯を炊く様になって何年経つだろう、内側の汚れを見た。でも、良く聞くとこの汚れは、栗の渋皮煮を作り付いた物らしい。確かに急に汚れが激しくなった様だった。

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9月14日(火)栗皮を切れぬ包丁磨く午後

(最近、指先で研ぎ具合が分からない。一応OKの判定。手製栗きんとんが出来る予定)

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9月15日(水)秋日和 鼻先かすめ黒揚羽

(曇った日が多かったので、晴れた日に揚羽蝶を見ると嬉しい)

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9月16日(木)脇道の柿の実青し曇り空

(気づくと柿の実が大きくなって居る。青々しい実が曇り空に似合う。)

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9月17日(金)彼岸花そぼ降る雨に抱かれて

(出がけ、目では分からない程の霧雨が降っていた。彼岸花も雨に優しく包まれる。)

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9月18日(土) 気まぐれの暴れ台風過ぎし午後

台風14号、久しぶりの激しい雨、気候変動を実感する日だった。福岡から上陸も史上初、その後、列島を横切って関東へ来たのも多分、初めて。最近、地震も多いし、何かが起きそうで不安。

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9月19日(日)彼岸花 富士飾る雲 今朝の風

台風一過、暑くなりそう。まだ雲は残るが遠くの富士山も雲間に見える、風が気持ち良い秋の朝。

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9月21日(火)中秋の名月雲満月を抱え込むセレナーデ(※夜曲、小夜曲、恋の歌)

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9月22日(水)気がつけばよろけ傷つく秋におり

(何でも無いところでつまずき転ぶ、腕にカスリ傷と打ち身。反応が鈍くなったことを痛感)

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9月24日(金)お萩添え「花」口ずさむ秋彼岸(沖縄の歌、。彼岸の時期にふと口ずさむ)

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九月の読書感想文 <女帝、小池百合子文藝春秋社、政治家のノンフィクション。

以前から良く分からない政治家の一人にスポットを当てた本、借りて読む機会があった。中身が濃すぎて、うまく纏まりません。でも必見の一冊かと思いました。

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出自」芦屋という高級住宅街で西宮に近い中間層の家に生まれる。貧富の差が混在する地域で強烈な上昇指向を持つ様になる。政治ゴロと呼ばれた破天荒な父親は、自分の都合の為には他人を利用し、嘘を押し通す強烈さで政治家を夢見る。石原慎太郎が三十代で政界デビュー時、父親も右翼的価値観を共有する石原に傾倒し、ブームにあやかろうと無所属で出馬し、落選。無理な選挙の出費や商売での失敗で借金を重ねていく。父娘でのエジプト行きも借金返済に追われ、所属していた日本アラブ協会を利用し、石油売買での一儲けを画策した為らしい。

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学歴詐称」著者が小池百合子に関する疑惑本を出版していた事から、カイロで小池と同居していた女性から手紙をもらい、現地で暮らす彼女に面会、資料も譲り受けこの本「女帝」を執筆した。この女性からカイロ大学には、政治的なコネで二年生に編入したが、進級試験に合格できず卒業していない、という証言を得る。一般的なエジプト語すら出来なかったらしい。

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日本のマスコミで中東専門家として出てくる人間は、大半が英語で活動しておりアラビア語を理解していない。彼女のアラビア語を聞いた日本在住エジプト女性が、中東を低く見てバレないと思っている、と感想を述べた。日本のマスコミ含め、カイロ大学卒業のレベルを判断できる日本人はいなかった。アラビア語学に挑戦しても、生かす場が無く日本では報われないのだとか。

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中東は階級社会、コネがあれば大抵のことは通用する、まして日本の国会議員に逆らうデメリットはODAに頼る国では避けるべき事らしい。お金を出せば、カイロの街角では何でも手に入るとか。後に彼女がマスコミに出した卒業証明が2種類ある事を、添付写真で解説してあった。

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マスコミから政治家へ」TVキャスターから政治家になっていく過程、自分で作りあげたカイロ大首席卒の経歴と人間関係を最大限利用。日本アラブ協会という組織、ドクターハーテムというカイロ側のコネ、自民党右派、中東関連者の人脈を利用していく。そして日本テレビでアシスタントとしてテレビデビューを果たし、その後テレビ東京でニュースキャスターを務める。番組で日本新党細川護熙の立候補をニュースでながす。キャスターに限界を感じていた小池百合子、細川に自己を売り込み、一ヶ月後日本新党の国会議員になり一躍、時の人になっていく。

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「政治家として新進党からデビュー」細川ブームにのって選挙運動では自分の物語を作り発信し続け、常に党首細川の隣にミニスカートで寄り添った。政策では無く広報を担当する。女を前面に出し選挙戦を戦った。党の中でNO2と広言したが、政策や答弁という政治の芯の部分では関与できない。本人も関心が無く、求めたものはスポットライト、華やかさだった。キャッチコピーは上手だが中身が無い、これはその後も、基本的に変わらない。政治に対する理念は無い。

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その後、細川から自由党小沢一郎へと鞍替えし、政治家が弱いマスコミ対応で存在感を発揮。選挙用のインパクトあるコピー、話題性と演出手法は男性リーダー達に重用されていきます。

しかし「北朝鮮の拉致家族」帰国の場面では、いつのまにか家族と同じTV画面に入り込む。めぐみさん死亡の報に涙ぐむ家族と同じ位置にいて涙を拭う仕草、テレビ中継が終わるとサッサと退席、しかもその後、忘れたバッグを取りに部屋に戻り「私のバッグ!拉致されたかと思った!」と大声を上げる。この発言、後に被害者の蓮池さんは「信用していない」と述べました。

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小沢自由党が勢いを無くしていくと、自民党へ鞍替え。権力者でも自分に利用価値がなくなると冷酷に切り捨てます。女性の登用が、何よりの目的だった自民党小泉政権は、田中真紀子の後釜に小池百合子環境大臣で抜擢します。環境大臣の時、2003年水俣病の判決では最高裁で国が敗訴したが、大臣として謝罪会見をなかなか開かず、怒った被害者が詰めかけた場で官僚の原稿を棒読み五分で退席、心無い対応に終始した。弱い人達に対する対応には興味が無かった。

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この後も自民党の中で、第一次安部政権の防衛大臣を務めますが、安部首相に嫌われ自ら海外に行きヤケクソ辞任を発表。この後はしばらくクスブリます。そして、石原東京都知事、猪瀬都知事、桝添都知事らの退任を見て、自民党に対抗する形で東京都知事に当選、今があります。

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都知事選後の築地市場の女将さん達を激怒させた築地市場移転のペテン、華やかさだけ求めて東京オリンピック開催に邁進。そしてコロナ対策の無策、カタカナ語やボードでの連日の露出から、感染が急増すると今度は沈黙に入る。都議会選挙に関する世相を読んだ動きも、自己都合優先でした。コロナ対策もワンポイントで盛り上げを計るが、良く聞くと内容は支離滅裂。

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少し前のBS-TBS報道番組。福井県でコロナ対応の「野戦病院」を作った経緯を福井医師会の会長が出て話をしていた。印象的だったのは、自宅待機は無くそう!という明確な目標で関係部署責任者を集め何度も協議して皆の意見をまとめ、計画を作成したとの事。何故、国や東京ではそれが出来ないのか!?感染最悪の東京は、酸素ステーションという間に合わせの策しか出ない。

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さらに渋谷に予約なしの接種受付センターを作り若者を取り込む、早朝から大勢の若者が並び結局、対応できる数量が200しかない、という若者達を小馬鹿にした結果になった。これを、後で指摘されると「密でしたねえ~現場は何をしているのか!」と責任を放り投げ現場を貶める、正にこれが小池流。何故か取り上げるマスコミも深く追求する姿勢が無いのも納得できない。

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政治家としての知識、見識は無く専門家との連携で意見集約など興味が無く、どう目立つかが最大の関心事、タレントのように立ち回りに神経を使う。大手マスコミも表面の話題性を好み、じっくり検証する事はやらないのか、やれないのか。結果として彼女のイメージ戦略に利用され、間違ったイメージを拡散していく役目を果たしている。

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政治家、この職業に感じる胡散臭さ、その中でも彼女の疑惑で固めた経歴は、派手で醜悪です。ノンフィクション作家の著者後書きに、書かぬ事の罪を考えこの本を書いたと。権力に脅えるような風潮が昨今強まっているとも。この本「女帝」での時間をかけた取材で出てきた内容は、改めて多くの人が知るべき内容だと思いました。

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総裁選

予想したように自民党の総裁選候補について、連日のTV放送が盛り上がっています。野党四党が市民連合との共通政策を打ち出したりしていますが、マスコミの取り上げは余り大きくなく自民の党内抗争にスポットが当たり続けます。コロナ対策に集中するはずの首相は最後の海外旅行(国連総会では無くクアッドに行く?何の意味があるのかな?)に気をとられているようだし、国会は開かれていません。

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やっと感染者数は減ってきましたが、入院者数、死亡者数はまだ高いまま。しかも、東京の死亡者数は実数より少なく発表されていたとの事。感染者数も検査自体を減らす禁じ手で下げ、重傷者数も基準を変えたままのようで、発表される数字に胡散臭さを感じてしまいますね。

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九月末の緊急事態宣言解除へのマスコミを利用した宣伝、総裁選を前面に出し衆院選へのムード盛り上げ、今までの不正はチャラにし空約束の連発、いつか見た風景が繰り返されています。

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滅びの四十年、2030年までにこの国はどこまで劣化してしまうのか?いつ頃、以前の暮らしに近い日々がやってくるのか、心に溜まった澱のような不安が晴れません。

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八月:パンデミック:Pandemic

人獣共通感染症(伝染病)の世界的大流行。

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2020年以来、新型コロナウイルス流行との戦いに世界中が苦しんでいる。こんな環境下で日本はオリンピック、パラリンピックの開催という信じがたいモードの中にいる。この8月、第五波の大波が起こるべくして起こり、深刻な医療崩壊を起こしている。まさか政府がここまで無策で進むとは考えなかったが、感染しても病院に入れない現実に私達は晒されている。また非常時と言いながら、マスコミはオリパラの競技者やメダルにスポットを当て、感染の現実をぼかす。

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今の政治がやった事とこれからやる事について、実際に起きた事実をきちんと記憶、総括して「仕方がない」で終わらせない事が重要だと思う。太平洋戦争前後の政治史を読んでみて、今その時の教訓は生かされていないと感じる。

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読書感想文(昭和史:戦前編)

満州事変>昭和6年、1931年:柳条湖事件、9月18日:午後10時20分、関東軍が鉄道爆破をでっち上げ、満州支配を目的に中国と戦うのですがこの時、日本国内の新聞社:朝日、東京日日(現、毎日)時事、報知などの主要新聞社が、一斉に関東軍擁護の報道を展開し、ラジオ放送も追随し、国民世論が軍支援に変わっていった、とありました。実は戦争は新聞の部数を増やす最大の武器だったとの事。それまで戦争に批判的なマスコミの論評、態度は一変します。

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この頃から日本の軍国主義が強化されていきます。でもその入り口にはマスコミ自身が雰囲気作りを行う役目を負っていた事実はショックでした。戦前と戦後のマスコミ、反省をしたはずの今も似てきたのでは?

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例えば、今の時代も大本営発表のようなNHKのニュース報道には違和感があり、まるで政府との関係は戦前と近くなったのではないかと思ってしまいます。その中で政治の強権性が強まり、日本学術会議の任命問題が象徴するように、科学や民主主義を無視する政治が蔓延っています。

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感染症は人から人の感染で人流を押さえる必要あり、でもオリンピックだからイイヤ

今回のオリンピックについても、ほぼ全ての新聞マスコミが、日本のメダルラッシュを連呼し、コロナ感染爆発の原因、対策に対する現状や実態を見えにくくした事と、勝った結果を強調する報道は戦意高揚の役目を果たした戦前と重なります。どちらも「勝った!」の国威発揚が、国民に受け入れられるという事実でしょう。新型コロナウイルスとの戦いも過去の戦争のように、国民の命を守れず「敗戦」へと向かっています。自宅待機の恐怖を突きつけられた私達です。

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満州国建国>昭和7年1932年、3月1日。傀儡カイライのラストエンペラー溥儀。満州国を守る口実で関東軍が実効支配していきます。

<五一五事件>昭和7年1932年、5月15日:海軍士官による犬養首相暗殺。政党政治の終焉

犯人は死刑にもならず、国民も支持?政治を萎縮させる空気が不景気を背景に醸し出された。

挙国一致内閣の軍部中心による、恐怖政治が始まる。軍国主義は一気に出来上がるのではなく、国民を巻き込み徐々に進行します。

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国際連盟脱退>昭和7年、1932年10月12日:国連リットン調査団、一旦、日本は満州から撤退するよう勧告。昭和8年、1933年2月24日国連総会、日本軍の満州撤退勧告を42対1で可決、日本は国連脱退。孤立の道を選ぶ

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<二二六事件>昭和11年、1936年2月26日午前5時 決起部隊、1,483名 皇居を占拠する目的だった。青年将校を中心とするクーデター。天皇側近の要人を襲撃し3名を殺害1名重傷。この事件以降、軍部がテロを脅しに政治に介入、戦争体制に大きく動き出した、と松本清張さんも著書で結論づけています。これ以降、太平洋戦争が勃発するまで国民の目には見えない体制変更が、軍上層部で進行していきました。

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西安事件昭和11年1936年、12月:中国西安で捕らえられた蒋介石共産党と手を結び日本と戦う契機となった西安事件、分裂していた中国側が連携して日本軍と対峙していきます。

昭和12年1937年、7月7日。盧溝橋事件:日中戦争の開始。

日本側の謀略による盧溝橋での発砲事件を元に、日本軍が中国軍との戦争に踏み切る。その後長期化していく。この戦争で当時の首都だった南京に攻込んだ時に、捕虜や民間人の大虐殺を行ったとして戦後も大きな問題になっています。南京が落ちても中国側の抵抗は止まなかった。

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昭和14年陸軍省秘密文書404号:中国帰還兵の証言「戦闘の間嬉しいものは略奪」「金をやるか、分からぬよう殺せ:強姦」「皆を調べたら、殺人強盗強姦ばかり」これらは陸軍身内の証言、南京だけで無く日本軍の軍紀は、長引く戦闘にかなり緩み腐敗していた。

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2021年8月19日、NHKのクローズアップ現代+日中戦争精神障害を負った兵士の特集をやっていた。取り上げられた百名強の被害者は国が認定した患者。実際はもっと多くの被害者がいた。それでも、その症状と戦後も含めた悲惨な生活に息が詰まった。何より兵士として中国の民間人を惨殺した記憶、加害者としての自分自身に苦しみ、精神を病み体の痙攣が止まらない症状などに苦しんでいた。終戦後、家族や地域にも言えない苦しみを抱え苦しむ人達。この治療の内容は50年伏せるように言われていたらしい。女性や子供を含め殺されていった中国人、命令され殺していった兵士、帰還し家族にも言えぬ苦しみ、皆が国策の被害者だったと感じる。

この報道に、NHKの悪口ばかり言ってはいけないナとも思った。

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昭和14年12月、大本営が設置され日本は戦時国家となる。南京は陥落するも戦争は終わらず、長期戦となる。現場は和平を模索していたが、近衛文麿内閣は蒋介石を相手にせず、と宣言し戦争終結を拒否。太平洋戦争が始まるまで戦争状態が継続する。近衛文麿、お公家さんですね。戦争一直線でも困るけどお公家さんでも世界情勢が読めない、政治家失格でしょう。

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<欧米と日本の関係>

日中戦争は長期化して、中国に権益を持つ欧米との対立が目立っていき、太平洋戦争へと繋がるのです。日本の明治以降の発展はイギリスと同盟関係にあったからこそで、日露戦争もかろうじて勝った背景はアメリカのルーズベルトの仲裁のおかげだったと。なのに昭和に入り日英同盟を破棄しアメリカも仮想敵国と考えるようになっていきました。これは海軍でも同じだったと。当時の国力を考えれば、英米との衝突は無謀で外交で解決すべきと言う正論もありましたが、少数で無視されていきます。正論の山本五十六は現場の責任者になり、本部から外れていきます。

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国家総動員法昭和13年、1938年:3月17日成立。11月:東亜新秩序声明、近衛内閣。ドイツのヒトラーがヨーロッパ新秩序を叫んでいた事に呼応するかのようでした。日独伊三国同盟へと突き進む事になります。後に太平洋戦争を日本側が「大東亜戦争」と名付けたのはこの考え方に基づくものでした。アジアを開放するという国民向けのアピール、無理な法律で国民を縛り付け勝てない戦いに突入する姿は、現在の身内の旅行業者優先で感染を広げ、ワクチン手配に負け、コロナ対応の病院網も作れず、さらにオリンピックで感染拡大のダメ押しを決定づけ、いまや国民の自粛要請しか方策が無い姿にダブってきます。

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太平洋戦争の犠牲者、全戦没者310万人の90%超281万人が戦争末期に犠牲になっている(東京新聞8月15日)ABCDライン、は日本が創った言葉のようですが、アメリカ、英国、中国、オランダが日本と対抗している、というメッセージを国内に広げるための物だったそうです。英米により日本の資産凍結と石油禁輸が行われました。戦争が長引いた事で、犠牲者が急増した。

コロナの感染者急増の状況も、PCR検査拡大、軽症者の保護、ワクチン確保の遅れによるもの。

問題の本質を、専門家の意見を取り入れ科学的に判断し実行する、そんな政治を見たいですね。

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8月15日(日)終戦記念日。戦争を体験した人達が減っていく中で、私たちにとっての戦争とは何だったか、実感を持って聞くことがどんどん少なくなります。歴史を身近に感じられるのは100年単位では無いか、と保阪正康さん、半藤一利さんの歴史語り部を継ぐ存在ですが、テレビの中で話されていました。歴史として残っている内容は文字や画像で一面を見ることは可能ですが、実際の体験者の話を聞くことは実感を持って受け止められます。

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戦前を生きてきた普通の人達に共通するのは「国家」が信用できないものだと「実感した」事のようです。それまで正しいと信じ込まされたことが、一夜でひっくり返って教科書に黒い墨を塗る、なにが正解なのか。立花隆さんや養老孟司さんの本が面白い理由もそんな体験にあるのかも。

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この期に及んでもうつろな目で、同じような言葉しか発しない指導者の国にいる私達。パラリンピックで競技する人達は身体に弱点を持つ人が多いと思います。ウイルスをさらに感染させる要因が、パラリンピックなどと思われたら、お互いに不幸では無いでしょうか。中止というメッセージが出れば少しは話が聞けるかもしれませんが、今のところ国民が何人死んでも祭りはやめそうにありません。

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今回、戦前編は自分にとって文字でしか触れられない世界でしたが、マスコミと政治の関係など、正に今の状況と同じような事が起きていたと感じました。私達が一人一人の意見を集めて、政治を動かし、マスコミまで巻き込み、現状を改善していく、そんな構図もあるのかなあと感じました。私達は盲目かも。だから、正しい人が誰か、何が正しいかを自分なりに見極めようとする姿勢が大事かもしれません。一度権力が力を持ったら、なかなか放しません。マスコミも経済原則で動く事を理解しなくてはいけないのかもしれません。

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第二次大戦後、中国は毛沢東により共産党が政権を持ち、いまや世界第二位の大国です。NHKBSで特集していましたが毛沢東も初期は民衆側に入り込んだ政治を行っていましたが、一旦権力を掌握した後は、正しい意見より自己都合で国をおかしくしていきました。ロシアやそのほかにも独裁者が目立つ国が多い感じがします。アフガニスタンタリバンが復活したニュースも、世界が不安定さを増すのではと思うし、アメリカの占領政策の失敗かも知れないですね。

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世界が共同でこのコロナ禍、温暖化に立ち向かわなければいけない世紀にいるはずです。残念ながらまず日本自体がコロナから自国民を守れないのでは?という不安を覚えます。そして世界の連携もどんどん難しくなっているようにも見えます。無論、自分には何もできないけど、何が起きているかをできる限り正しく見ていけたら良いなあと思います。

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7月:七月、文月:陰暦七月、ふづき

雨模様稲穂膨らむ文月なり

普通に「文月:ふみづき」と読むけど「ふづき」が元々の読みらしい。収穫が近づくにつれて稲穂が膨らむことから「穂含月(ほふみづき)」「含月(ふくむづき)」が転じて「文月(ふづき)」になったという説、稲穂の膨らみが見られる月であることから「穂見月(ほみづき)」が転じたという説などがあるそうです。この国はみずみずしい稲穂、瑞穂の国です。

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<夏:妖怪の季節>小さいときの記憶、姉や母が家の中を掃除をしていて、不思議なガラスの筒を縁側に並べていた。それは何なのかと聞くと「ランプのホヤ」と言われた記憶がある。もう使ってはいなかったが、電気が無い時代のランプは貴重な灯りだった訳だ。(ホヤ=火屋、火舎。)きっと昔の夜は暗く深く、不気味だけど、夏の夜は暑さも和らぎ、お盆などもあり、あの世からの霊魂をもっと近くに感じていたでしょう。祖先の霊だけでなく、縁者の絶えた無縁仏や、恨みを抱いた怨霊も帰ってくると考えられました。そんな中で生れた妖怪達、水木しげるさんを思い出します。

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2014年:鳥取、境港の水木しげるロード砂かけ婆

7月28日:夏本番冷や汗引かぬ政治かな

半藤一利氏の昭和史に、日本の現代史は明治維新以降40年周期で成功と破滅を繰り返している、とありました。この国は滅びモードの40年の中で、それに相応しい政治リーダー達が蠢ウゴメいている。感染者急増で記者から「オリンピックは大丈夫?」の質問に、菅総理、人流は減っているので問題ない、と実際は増えているのに、根拠のない回答で押し切る。とにかく強行開催のオリンピックの中、感染爆発が働き盛り世代を中心に起こっている。

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島根、出雲大社の大注連縄

なぜ、こんな政治がまかり通るのか?という疑問から何かヒントが無いかと、半藤一利氏の昭和史を読んでみました。先に戦後編を買って、その後戦前編も買いましたが、まだ読めていません。読書感想文のつもりでこの国の現代史、昭和史を基に、まとめてみました。

 

<戦前、明治から昭和へ>1926年-1945年。(戦前編は超大雑把です)

1853年(嘉永6年)黒船来航の12年後1865年を慶応元年とし、朝廷が日本開国を決定。これにより幕末の混乱を招き、1868年の明治維新幕藩体制から立憲君主制へ。近代日本の建設スタート。その後、この国は約40年周期で国家運営の成功と失敗を繰り返していく。

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《1》1868年慶応4年、10月23日を明治元年9月8日とし近代日本の国作りスタート。

当時、東南アジア諸国はヨーロッパやアメリカの植民地になっていた。例えばインド、ビルマシンガポールはイギリス領、香港もイギリスの租借地インドネシアはオランダ領、フィリピンはアメリカ領、ベトナムラオスカンボジアがフランス領。

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松江城

日本はアフリカでの列強国間の紛争勃発なども重なり、植民地化を免れ、西欧化を急ぎ天皇制の富国強兵策で国力を増強していった。1894年~1895年;明治27~28年:日清戦争に勝利。当時の眠れる獅子、清国を撃破した事で国民は大興奮。1904年~05年:明治37~38年:日露戦争勝利。明治維新から約40年。近代国家を完成。<成功の40年>

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松江城

《2》大正、昭和の時代:日清日露の戦争に勝利し満州国を建設。うぬぼれた日本は世界中を相手にした戦争へ突き進み、父祖が築き上げた国を滅ぼす道を選んでしまいます。

昭和14年ノモンハン事件ソ連領モンゴルと満州国の国境付近で起こされた日ソの武力衝突。強大な軍事力、最新装備のソ連軍に対し「根拠の無い自信、古い装備、白兵戦」で戦った結果、4ヶ月の戦闘で壊滅的な敗戦になります。

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しかもこの時の責任者2人は、後に本部に栄転、太平洋戦争での南方戦線を主張、指揮し、同じ間違いを起こします。二人だけでは無いのですが、白兵戦や精神論優先で多くの日本兵士を死に追い込んだ元凶達です。これは今と通底する指導者の伝統だったようです。

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水木しげるロード:豆狸

1941年、昭和16年12月12日、太平洋戦争開戦。短期決戦で勝利する目算は物量に勝る米国に通じず。最後は無謀な特攻などでもがくも1945年、広島、長崎への原爆投下を招き、敗戦。300万~400万の人が犠牲に、富国強兵策の敗北です。<破滅の40年>

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松江城

《3》戦後史:<国家再生の40年>1945年-1989年<戦後史スタート、六つに分ける>

(3の1)1945年、昭和20年8月15日:太平洋戦争に敗北。昭和26年までアメリカの占領管理下。天皇制国家の崩壊、東京裁判GHQの主導で新しい国の骨格:国民主権、象徴天皇、議会制民主主義、軍事力放棄、平和憲法、農地改革、財閥解体民法改正。

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松江城

吉田イズム:軍事は米国に任せ国内の経済に注力する。日米安保制定。冷戦激下昭和25年の朝鮮戦争、米国は日本を軍事拠点化したかった。再軍備を要求するダレス米国特使。吉田首相はこれを敢然と拒否、他の政治家では出来なかっただろう、と半藤さん。警察予備隊という軍隊の卵で米国を説得、基地提供を決める。昭和天皇マッカーサーとの話の中で、地理的な理由と反中、反ソで沖縄を米軍の基地にすることを提言、また分割統治では無く米軍単独による領土保護を願った。昭和天皇の軍人としての発想か。この後、沖縄復帰後に訪問して、その事を沖縄県民に詫びたいとの思いは、実現せず。

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宍道湖

(3の2)1952年、昭和27年、サンフランシスコ講和条約締結で新しい国作りスタート。ソ連とは未締結のまま。天皇の戦争責任論は昭和34年ミッチーブーム(民間からの美智子妃)で皇室が国民に好意的に受け取られる変化が起こりしぼんでいく。昭和29年鳩山内閣、戦前政治家の復活、再軍備憲法改正を表明。昭和32年、右派強権の岸内閣につながる。「平和と民主主義」について右翼と左翼が全く違う考えで日常的に衝突、政治的に混乱。国を作るための重要課題「平和と民主主義」が意見の違いで揉めていくうちに、国民にとって中身が不鮮明になっていった。

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そして活動は過激になっていき、昭和35年「60年安保」反対運動、過激な学生運動極左活動により、国民から乖離して行きました。これは戦後日本の最大の不幸であったと半藤さん。この時期には①三島由紀夫氏が割腹で訴えた軍備を持つ天皇の国家②左翼が目指すアメリカ的資本主義から距離を置いた社会主義、さらに③経済第一で豊かな国を目指す④スイスのように静かで平和に暮らす社会、の選択肢があった中で、国民が60年安保の大衝突の後に支持したのが池田内閣が目指した③「軽武装、通商貿易国家」だったと言います。

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宍道湖

(3の3)1961年:経済第一の時代。昭和36年から昭和40年。池田内閣の軽武装の経済第一、通商貿易国家、強兵無き富国。所得倍増計画。とにかく働こう!敗戦からの国家再建のため無思想の商人国家。世界のセールスマンとなっていきます。この反動として、お金やモノ優先で全てを判断する事に不満を抱く人も多く出てきます。1964年昭和39年:東京オリンピック、新幹線。敗戦から復興した日本を世界にアピール。

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(3の4)1966年:昭和41年から1972年:昭和47年。経済の成長で自信を取り戻した。

1970年、大阪万博1972年:昭和47年、沖縄返還戦後日本が終わる。

<現代の日本史が始まる>

1972年、田中内閣:日本列島改造論。9月、日中国交正常化に調印。

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松江城

(3の5)1973年:昭和48年から1982年:昭和57年。

価値観の見直し。9年間のベトナム戦争終結。二度のオイルショック。1973年、第四次中東戦争イスラエルとアラブの戦争。原油の高騰を機会に価値観の変容。安い原油だよりの鉄鋼や石油産業から自動車、エレクトロニクス産業への転換。1974年、コンビニのスタート、贅沢に走らず日々の生活を見直す。1979年イラン、ホメイニ師原油高騰、二度目のオイルショックを省エネで凌ぐ。高度経済成長から安定成長へ。

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出雲大社

(3の6)1985年:昭和58年から1992年:昭和63年。昭和の終焉。世界第二位の経済大国、官僚統制システム。国が目標を決めて経済をリード。<終戦から40年、復興の40年。

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出雲大社

経済復興を遂げた日本のスタイルは「官僚統制システム」と半藤氏は書きます。国の経済運営を有能な官僚が決めアメとムチを使い決める。実はこれは戦前、昭和14年1939年の国家総動員体制と同じだと。官僚がデザインし具体的な政策を国会に持って行き、国会で法案とする。決して強権一方的では無く、官僚により予算も作られ誘導すると言うやり方。高度経済成長の時代には上手く機能したこの方法は、昭和が終わるときにピークに達します。戦前は結局、軍部の突出で悲惨な戦争に突入してしまいました。

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水木しげるロード:小豆研ぎ

《4》終戦から約40年後の1991年~1993年、バブル経済の崩壊。失われた20年が始まる。1990年、平成2年:ソ連崩壊。冷戦終結、これにより日本経済が崩壊。昭和末期の政官馴れ合いは土地ブームと株価のもたれ合いで作り上げており、正に経済がバブルのごとくはじけてしまった。「官僚統制システム」が機能しなくなっていた。

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1998年、経済企画庁(現、内閣府)のミニ経済白書バブル崩壊の十年、不良債権の処理の遅れは「起きると困ることは起きないことにする」という意識が官民双方に強かった結果。また敗北(失敗)を素直に認めないことが更なる敗北、失敗の原因になった。との分析まさに戦前のノモンハン事件や現在のコロナ対応と重なる、幻想的で独善、泥縄的な思考だ。

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2世3世の政治家や官僚は財界とも癒着し、まるで戦前の日清日露の勝利でうぬぼれ、

世界を相手に無謀な戦争を起こし国を滅ぼした、政治家や軍人と同じ様になっていく。

この国をどうするかの国家目標も示せず、戦後築いてきた民主主義の仕組みも骨抜きにしていきます。

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水木しげるロード:うわん

2011年3月11日、東日本大震災福島第一原発の事故、メルトダウン民主党政権

2012年12月、第二次安倍政権。憲法改正再軍備を目指した鳩山、岸の路線継承。アベノミクス新自由主義による格差拡大、非正規雇用の増大で社会がすさみ富裕層や大企業が潤った。日本経済は長い低迷期にはいる。そして2018年令和にかわり、中国が経済大国世界2位に。2020年8月安陪氏退陣。後継に幹事長だった菅総理が誕生。

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水木しげるロード:カシャボ

2020年、中国武漢で発生した新型コロナウイルスが世界中に広がる、パンデミック

未だ出口は見えない中で、一年延期された二度目の東京オリンピック、ほぼ無観客で開催。福島の復興をテーマに掲げながら、未だ避難した人達への支援、汚染水の海洋投棄は無視。1964年の東京オリンピックは、敗戦からの復興を遂げた自信から、ほとんどの国民が祝う行事だったが、今回は改めて考えても何のために、という大義が見えない。

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水木しげるロード:かに坊主

安陪-菅政権の懐古的な強権政治が、このパンデミックでの感染防止に機能しないことが暴かれ、多くの国民が望まないオリンピック強行開催は、今後の日本に大きな分断や傷を残しそうです。見えないウイルスと戦う中、わざわざ世界から病原菌を運んでもらい、国内で広げること、さらに変異したウイルスを世界に拡散する役割を担うかもしれない。ウイルス対策に、今後どれだけの税金が使われ、この後追加徴収されるのか、どれだけの人が犠牲になり、生活を壊されていくのか、今後の被害状況も予測ができない。正に滅びの時代にいる私たち。1991年の40年後になる2030年には何が起こるのか。

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水木しげるロード:シーサー

半藤さんは2021年令和3年1月に90歳で亡くなられました。本のあとがきで、これからの日本に必要なことを上げています。

 

1:無私、真面目さを取り戻す、日本人皆が私を捨てて国を新しく作るために努力と知恵を絞れるか。その覚悟を固められるか。

2:小さな箱から出る、自分達の組織だけを守る、組織の倫理や慣習に従う、そんな小さな世界から抜ける勇気を持てるか。

3:大局的な展望能力、物事を地球規模で展望する力と学ぶ心。

4:他人に頼らず世界に通用する知識や情報をもてるか。

5:悠然たる風格をもてるか。吉田松陰の言葉「君は功をなせ、われは大事を成す」を引用。

 

現在の日本に足りないのはこういう物で決して軍事力では無い、と言います。

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水木しげるロード:塗り壁

時代を見据えた言葉に自分なりに考えます。一人では何も出来ないけど、1:は皆に宛てて書かれています。自分の考えで政治を選ぶことを一つの手段にしようと思いました。

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水木しげるロード:目玉のおやじ

世の中の出来事になぜこんな事が起こるのか、特に政治の世界は何が起きているかわからず、学校では習った記憶がない昭和史に興味を持ちました。購入した昭和史1926-1945戦前編を、また少しずつ読もうと思います。

六月、水無月(水の月=水を田に引く月)

我田引水物事を自分の利益になるように引きつけて言ったり、したりすること

G7という国際会議を最大限に利用しコロナ禍のオリンピック開催を国の内外に宣言。日本人の海外に弱い点を突き、反対を言いにくい雰囲気を作り出しています。何故、オリンピックが全てをなげうってでも開催されなければいけないのか、この疑問に対し誰も納得できる回答を示してくれません。少ないとは言えすでに14,000人以上が死んでいて、日々増えていきます。

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<日日草ニチニチソウ土に包みし雨上がり 花壇に日々草を植える。雨の後で土は軟らかい

6月16日現在:世界の累積感染者数/死亡者数(JX通信社)日本と感染国上位3国。

「日本:778,919人、死亡者数:14,268人、致死率1.8%」

1、アメリカ:約3400万人、死亡者数:60万人、致死率1.8%。

2、インド:約3000万人、死亡者数:38万人、致死率1.3% 

3、ブラジル:1750万人、死亡者数:40万人、致死率2.8%

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<有酸素  窓の外行く白いシャツ ジムの二階から外を見ると学生の白い服が通り過ぎる

オリンピックで、世界中から多くの人が日本に入り、出ます。感染が広がらない訳はない。国民の絆を取り戻し?安心安全な?復興のシンボル?コロナに打ち勝った証?平和の祭典?誰の作文か、突っ込みどころ満載で、内容の無い答えに終始する国会でした。まだコロナとの戦いは途中であり勝った証明は無いし、今後は脅威を増したインド変異種の増加が危惧されている。この現状を、第二次大戦中の日本軍インパール作戦の無謀さに例えるコメントもあります。

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<赤白の花散らし咲く日日花ニチニチカ 日々草は3日くらいで、花を自から落とすらしい

日本の戦後、アベノミクスが実現したものは、格差の拡大、賃金の低下、派遣業の拡大、コストカットでしか利益が出せない大企業の経営体質、貧富の拡大による社会基盤の劣化、など。

新型コロナが暴いたのは、小さな政府/新自由主義のもとで推進している感染症対応の拠点、保健所、公立病院の削減、縮小。この結果が日本の感染対策の弱体化に直結した。特に東京、大阪等の大都市が如何に感染症に弱いかを露呈した、日本政治の構造的弱点です。現場のコロナ対応はこんな状況下でも、多くの医療関係者が身を削って前線で奮闘し支えています。しかし負担は大きく、今後再拡大したら医療崩壊下でのオリンピックで、死者がまた急増します。

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<梅漬けやこれでどうだと紫蘇絞り 紫蘇の葉をぎゅうっと絞る、梅に混ぜて漬け後は待つ

敗戦時のどん底、そこから民主主義への期待と戦争の苦しみを経験した経営者達による日本型経営、家族主義、力を合わせて働く事を意識した経営者も多かった。そして敗戦の瓦礫から世界第二位の経済力を持つまでになる。働かせ方には問題もあったが、現場では創業者を含め貧しさを経験した共通体験が経済を支えていた。それが、1990年代以降バブル崩壊後に主にアメリカ式経営に変わって行き、経営のコアとして人を大切にする意識から、コスト削減、利益最優先という経営に変わっていきます。人件費は経営圧迫コストの最大要素とされ、より安い派遣労働の拡大に繋がりました。生きた人間の価値が数値、単価で判断されるようになりました。

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ドクダミの白き花見せ梅雨模様 蕺:ドクダミ、別名、十薬

戦後日本の人を大事にする経営は廃れていき、結局国力(人)の大きな中国に抜かれました。人が基本の技術力、生産力は時間経過の中で経験値も平均化され、やがて最後は人員数によって差が出てきます。日本の強さは一億数千万の人間が一律の教育環境で、皆で協調し考え働く態勢だったと思います。しかし今の教育も含む格差拡大はそれを大きく阻害しています。

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<手を合わせ朝顔の種撒く夏や 義母命日:竜胆と菊を供え、貰った朝顔の種を撒く

政治の世界も1996年以降、カバン(金)と看板(地盤)で勝つ小選挙区制になって、大政党に有利な仕組みになった。政治家の世襲がはびこり、まるで封建制度のように、新しい人を排除する。人を育てる政治の意識欠如は無論、自分達以外は人間とは思わない感覚が霞ヶ関に充満している。必死で働く官僚までもを、忖度という言葉で殺すまでにモラルを落とした。今の与党の政治家でいる事は、特権階級に属すると言うことに等しく、その地位は離さないだろう。これは敗戦時GHQが断罪した帝国主義に戻ったようで、戦前の復活にも見えます。

※赤木ファイルがやっと出てきました。改めてその無念さに胸が詰まります。

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<彼岸行き霊柩車夏黄金色 易学「陽きわまれば陰生じ、陰きわまれば陽生ず」で華美に?

コロナ禍で働き方について考える機会も増えています。

政府の「骨太の方針」に「選択的週休3日制」が取り上げられている事を知りました。

以前は土曜日の半ドンから週休二日制が嬉しかった。今後、週休三日になれば良いと思います。

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<九十度ストック2本に夏陽射し 腰を曲げストックを突き、力一杯ゆっくり歩く人有り

スペインでは政府の実証実験として、週4日労働(週休3日)を実施しようとしています。政府が65億の予算を投じ、来年以降の開始を見込んでいるとか。ポイントは給料を下げずに労働時間を削減する事。企業が週4日労働制に移行する費用を一年目は100%、二年目50%、三年目33%を政府が負担する、これで制度化の促進を支援する。国民へのアンケート調査でも導入賛同が約7割。凄いですね。

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<新調のそば殻枕 夏昼寝 涼しくて、なかなか気持ちいい

週4日労働の利点は(時間の余裕ができ民主主義、国民の政治参加が進む。)(労働時間の削減でCO2削減が可能)(肉体的精神的負担を減らす)(効率的に働き生産性が高まる。)など良い事尽くめ。

実際にアンダルシアのソフトウエア企業はこの制度をすでに取り入れ、欠勤率の28%低下、売り上げ20%増の結果が出ている。なにより、労働時間の短縮で職場の雰囲気も良くなったと。

今、長時間労働の中にいる家族を考えるとスペインに移った方が良いよと伝えたいくらいです。

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<実梅ミウメ落ち柿の実青き葉叢かな 梅は色づき落ちた。柿の実は葉と同じ色で葉陰に

また、連日の超残業で上の意向に沿う為に過労死気味での政策、成果しか出せない日本政府の官僚さんにも聞かせたくなる実話です。スペインの左派連立政権、こんな政治が日本でも実現したら、今の生活にもっと希望が持てそうです。

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<猫元気 緑陰見やる部屋占拠 引越し先でもマイペースの猫、元気そうだった

日本でも体力のある企業は週休三日を認め始めていますが、企業単位ではやはり中小零細は取残されます。コロナ対策もまともに取り組めない/取り組まない政府では、スペインのような取り組みは望めそうにないですね。「週休三日制」骨太の政府方針も、お題目だけで中身が具体的に分からず、企業側の人件費の削減、もしくは単なる人減らしに繋がり、労働者の環境悪化を進めるだけでは?結果として働く時間が減り給与が下がり、生きるために掛け持ちで働く時間を逆に増やさざるを得ないと言う事にもなりそう。企業のコストカットが目的で、かつ体力の無い中小企業を整理再編するためのフルイになるのではと感じています。悲しい。

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<無言なり言いたき事の多き夏 沢山の人が今の政治に言いたい事は沢山あると思います

スペインと日本の取り組みにある違いは何なんでしょうか?

スペイン:民主主義の考え方から働き方を考えている。人を大事にする、環境を守る。

日本:経済効率、資本主義下での利益向上が目標。企業が強くなればおこぼれがあるかも。

ものすごく簡単に比較すると、こんな感じになります。これで環境を守るSDGsが実現できるのはどちらのシステムかも見えてくるようです。

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<夏の宵蒸し暑さ増す「資本論」 新解釈?古い方も知らないから、今一理解できない

<そのSDGsについて>斎藤幸平著:人新世の「資本論」 (集英社新書)読んでみました。

最近のはやり言葉、TVコマーシャルでも取り入れられる「SDGs」これが大衆のアヘンである、と言うのが最初のタイトル。気候変動は資本主義が原因、行きすぎた開発が地表を覆っている原因はエコバッグや風力発電、電気自動車などでは解決できない。と過激に言い放つ!

SDGsをやっている感だけでは、地球環境問題の解決は出来ないと言うのです。

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<鬱々と粛々と過ぎ夏の宵 こんなもの俳句では無い、と言われますね。ま、いいか

一例が政府はCO2削減のためには原発の維持が必要、という。原爆や原発が地域を根こそぎ破壊し、今も影響し続けている歴史事実があるのに。また福島の復興を謳うオリンピックで解決できる話でもない、セレモニーにすり替えるのではなく、原発自体の廃棄を長期間かけて行う事が解決策。原発の存在自体が大きな環境負荷であり事故やテロの危険性も含め、社会的に巨大なマイナスでしか無い。オリンピックも即止めて正しい復興に取り組んで欲しい。

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干拓の風にまかせて行々子 オオヨシキリ=行々子:ギョウギョウシ、有明海干拓地で鳴く

「環境破壊にどう取り組むか」

この状況を変える道は、生活者の直接参加で、今の大量消費生活を、如何に変えていくか話し合い、生活者グループ自身が実践すること。企業活動に任せるのではない脱成長メカニズムを作り上げていくことだと説いています。具体的な活動例として、スペインの活動事例をあげていました。例えば休日には道路を封鎖し、市民の憩いの場として再活用する事例など。

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<三十度また出してくる扇風機 夕方に30度もある、蒸し暑き日々の始まりかな

「脱成長コミュニズム」とは地球環境の持続可能性を考えた社会生活を目指す。資本主義に緊急ブレーキをかける。このままでは資本主義、利益優先主義が人間も住めなくなるまで地球環境を破壊してしまう。長時間労働に苦しんで、大量に生産、消費、廃棄する経済システムと手を切る。株売買などの、儲ける為だけの仕事は禁止をする。社会全体の労働時間を大幅に短縮する。それだけで生活の質は向上する。

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<父の日や今年辣韮ラッキョウ甘酢漬け 今年は泥付の辣韮が入手できず、加工済みを漬け込んだ

医療や福祉、教育のエッセンシャルワークを重視する。働く人自身が参加して話し合い、創造性を発揮する。住宅など生活に必要な資源、生産設備などをコモン:共有財産とする。儲けに囚われずコモンに重点を置く。(この部分、なかなか具体的に理解できないけど)

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<息苦しマスクの中に籠もる夏 二年目だが、夏場のマスクは蒸れて暑い

現在の共産主義を掲げた中国やソ連等の実体経済は「生産力重視」の資本主義、しかも一党独裁の官僚機構がトップダウンで管理している。特に中国は、急速な経済成長で環境破壊を進めている。資本主義の転換には3.5%の人が非暴力で立ち上がる事で社会が変わる。資本主義が弾力を無くした今、考えるべき。

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<梅雨寒やワクチン終わり薄日浴び 二回目が終わった、これで完璧では無いが一安心

「南北問題」

北半球の先進国が経済発展し利益、富を独占できたのは未開発だった南半球の自然と労働力が補完した結果だと言います。イギリス産業革命以降、英米欧の列強国は世界中の資源や労働力を、当時の未開国から奪っていきました。アフリカでの奴隷調達、北米、南米原住民のジェノサイド、南米やアジアでの植民地活動等、現在の難民問題にも繋がる歴史です。

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<梅雨入りの翌朝仰ぐ青い空 朝、見渡す範囲は青空、予報は午後から雨だと言う

しかし開発が進み自然の富が取り尽くされると、残るのは貧困と二酸化炭素を回収できなくなった荒れ地です。日本含め先進国が清潔で快適な生活を送る為に排出したゴミが東南アジアを埋め尽くしたりしています。エコバッグや電気自動車で全ての解決はできない理由です。環境を壊さない生活へのシフト、壊れた環境の修復こそが本来求められる先進国の活動です。

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この夏に鶴田浩二の歌を聴き 何から何まで 真っ暗闇よ、筋の通らぬ 事ばかり

豊かな自然を育んでいた土地が、もう生き物を育てる事も守る事も出来ません。地球のエコシステムが崩壊していくのです。人々はその地から、難民となって逃げるしか有りません。乱開発さえ無ければ、人として自然と共生して豊かな生活を長年続けてきた土地、それを暴力的な資本主義が破壊しました。でも、はじき出された難民を受け入れる余地はとても少ないのです。

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<十五分沸かして冷ます麦茶かな ガス台で強火15分、弱火15分で麦茶が出来る

現在の温暖化は資本主義下での経済活動の拡大、長年にわたる乱開発で地球の循環、環境システムが機能しなくなり発生しています。だから人間だけが止める事が出来ます、そして責任もあります。その取っ掛かりが、地域での働き方の改革、住人達自身での話し合いから始まるというのは、中々イメージできにくいけど多分、世界中の若い人達は気づき始めているようです。

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この星の未来、50億?払って宇宙に逃げられる人ばかりでは無いでしょうから。私達の多くは、地球以外に住む場所は無いですよね。偶々、田舎に生れた自分は江戸時代からの農業に近いものを見て育っています。貧乏だったけど、周りに生き物が豊富で空気も奇麗だった気がします。そしてその農業も含め、世の中が急速に生産性重視に変わって行き、便利だけど窮屈な息苦しい世界になったように感じます。これからの人達が手にできる豊かさはどんどんしぼんでいくばかりです。オリンピックにムキになっている場合では無いと思います。

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2021年五月、後半

May:ローマ神話、豊穣の女神マイアMaiaからとったMay。響きの良い言葉、でも5月後半は爽やかな五月は続かず、梅雨空が広がる予報、大雨による被害も心配されている。

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5月16日(日) 姫沙羅の葉叢(ハムラ)秘かに花抱き 

今まで夏椿と姫沙羅は同じものだと思い込んでいたが、確認したら別の花だった。我が家の花はどうも花のサイズが小さい姫沙羅のよう。よく見ると葉陰に白い小さい花が咲き出していた。

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姫沙羅の葉叢に白き少女花

クリムトの絵「葉叢の前の少女」白く膨らむ袖が姫沙羅の花のようだ。花は1日で散るようで、椿のようにポトリと落ちる、今年の五月は雨風の強い日も多く知らないうちに散っていく。

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5月17日(月) 雨模様の日、どうも九州は梅雨入りし強い雨が降っている様子、少し心配。

風五月花びら飾るアスファルト(薔薇の花も時折吹く風に散り急ぎ,道路の面を飾っていた。)

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戦争に正義など無しイスラエル日本の中山防衛副大臣イスラエルパレスチナ攻撃を理解できると支持表明?軽率だ!との批判。テレビに写るパレスチナの若者の腕がやけに細くて、困窮した生活を勝手に想像してしまった。大事な宗教行事を暴力で妨害されて始まった紛争、圧倒的な力の差、死傷者数の差が出てそれでも民族への侮辱に対し戦った。個人の意見と言いながら政府の副大臣の発言であり、リスクが大きい。防衛意識はどこにあるのだろうか?

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5月18日(火) 五月闇ワクチン頼り自粛かな

(五月闇:梅雨時の夜の暗さ。)ワクチンは少し不安だけれども、他に頼る物が無いのが現実。

通院しているクリニックに「ワクチン申し込み」と言う貼紙。確認したら20日からの市の受付には当面対応せず、個別の申し込みを受付中だった。すでに百人以上が申し込み済みらしい。一応、記入したが多分6月になるだろうとのこと。混乱しているオンラインや電話よりはまだ分り易い。今のシステム設計は全く信頼できないレベル、身近な医院の方が信頼できる。でも医療従事者、介護施設で働く人などの所謂エッシェンシャルワーカーが先なのでは?

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5月19日(水)薫風にアフガンハウンド背を丸め

(朝の散歩か、白い大きな犬が背を丸めて通り過ぎる,確かアフガンハウンドと言う犬種。)

驟雨くる箪笥の重き引っ越しや(予期しない強い雨、引っ越し業の若者達も家具運びに一苦労)

段ボール新居の主は夏の猫(外が見える場所に陣取って満足そうな猫、そこ片付けるよ!)

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5月20日(木) 二十日朝コロナワクチン狂騒曲

先日のワクチン受付は、申し込む意思の確認。実際に申し込める事になったら再度、クリニックに来てくれ,と言われている。毎日聞きに行くわけにも行かず、暫く経ったら行こうと思っている。住む地域は、今日20日からオンラインと電話で受付開始予定、他と同じ混乱が予想されるが、接種を7月中に終了しろ!の大号令が各地域にも飛んでいるようだ。

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5月21日(金)皐月晴れ白雲またぐ水溜り(水たまりに雲が映っていた、ヒョイと越えてみる)

やっとイスラエルパレスチナの停戦がエジプトの仲裁で合意。ガザ地区で232人、イスラエルで12人の犠牲者。ガザの犠牲者には子供も多く含まれている。

昭和史より>1948年(昭和23年)5月14日:イスラエル建国。この地区は元々イギリスが支配していたが、独立前日5月13日に一斉に引き上げた。翌14日がパレスチナ委任統治期限が切れる日。しかも、数時間後にイスラエルの指導者達が乗り込みテルアビブで建国を宣言した。

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これは世界史の中でも奇妙な出来事だった、との事。アラブ諸国、勿論パレスチナは猛反発し中東の紛争は未だに解決していません。イギリス、アメリカとイスラエルで話が出来ていたのでしょうね?この時の立役者はアメリカのトルーマン大統領だったそうです。世界のリーダーはもっと慎重にイスラエルの場所を決めるべきだった、と半藤さんは書いています。

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5月22日(土) 走り梅雨 燕(ツバクロ)の二羽低く飛び

雲が多めの日、虫たちも低く飛ぶのかツバメが二羽、低空飛行。身近な野鳥、この時期に街にも帰ってくる。人の暮らしに寄り添って生きてきた野鳥。人が暮らす環境が大きく変わって、街中での巣作り、子育てはとてもやりにくくなっている。それでも毎年帰ってくる。

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雀も同じで、この時期は雀の子も巣立つ時期。やはり瓦の屋根が減り近くに田圃がなくなり、生息数は減っているらしい。最近の住宅は野鳥を排除する、カラスなどから身を隠す庇(ヒサシ)隙間のある屋根瓦、破いてあれば入れる障子等が消えた。籠のペットは入れても野鳥は入れない世界、それが都会の姿。自分もそんな暮らしだ、喜んで入ってくるのはコロナウイルス位かな。

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5月23日(日) 夏場所は決定戦まで千秋楽(照ノ冨士が優勝。遠藤、貴景勝の奮闘もあった。)

クラプトンけだるく甘き五月闇  

Wonderfull Tonight、エリック・クラプトン、1977年の歌。当時の妻パティ・ボンドへの歌。

彼女の最初の結婚相手はジョージ・ハリスン。モデルで写真家という華麗な経歴の女性。

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浮かび来る夏山故郷ジョンデンバー

Country Road、1971年邦題「故郷に帰りたい」声が素朴で伸びやか、民謡のようでもある。

世界的ヒットで歌詞に出てくるウエスバージニア州が、2014年に州の歌に制定したとか。

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5月24日(月) 南天の花蜂花粉身にまとい

(ちらほら南天の小さな黄色い花が開き、花蜂がやって来る、お腹には花粉が付いていた。)

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洗車後の夏の陽射しと俄雨(点検で奇麗に洗車して貰い、帰り道に俄雨、がっかりの午後)

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5月25日(火) 夏日なぞ言わずもがなの陽の強さ(予報で25℃越す夏日、歩くと汗が出る。)

汗をかきワクチン予約の行き帰り(ダメ元で出かけたら、キャンセル分があり予約ができた。)

5月29日に一回目、6月23日に二回目接種の予約。個人医院にも相当なプッシュが来ているのかな?まだまだ、オリンピックは波乱含み、アメリカが日本を渡航中止、退避勧告国にした。

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5月26日(水) 枇杷もぎて枝ごと落ちる段畑

枇杷の木は枝が折れやすい、実を採るのに必死に手を伸ばし、何度か落ちた記憶がある。雨の多い時期に熟すから,余計に滑りやすいし。ま、鈍かったンだけど。山の段々畑にあった枇杷は美味しかった。

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5月27日(木) 五月雨(サミダレ)やダウンベストをまた探し(やっぱり雨の日はまだ寒い。)

五月雨や東京裁判ぬかるみし(引き籠もり読むが、こみ入った内容にあまり読み進めない。)

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五月雨のあがりし朝に露の草(俳句では露草は秋の季語だとか、6月から9月に咲く)

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5月28日(金) イソヒヨドリ今朝も訪ねるモールビル

この時期、海岸からショッピングモール近くに飛んでくるイソヒヨドリ。鳴き声で数年前に気がついたが、もしかして縄張りの一部なのかも知れない。マンション植え込みのソーラーパネル右に止まったが、携帯での撮影で、距離も遠く姿が良く見えない。奇麗な声でなく鳥。

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※磯鵯イソヒヨドリ:スズメ目、ヒタキ科。海岸や岩場で生息、名前はヒヨドリだがヒタキ科。

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5月29日(土)真夏日の予報五月にこの地球

(梅雨のようだと思っていたら、いきなり真夏日。体も地球も悲鳴を上げている。)

ワクチンの夜半肩痛五月闇(一回目の接種済、注射の時は痛みは無し,夜にかけて筋肉痛?)

ワクチンについても色々情報が出ている。接種時の痛みを気にするが、一説には何も症状が出ないのは、抗体の量が少ないケースもあり、痛みがある方が正常かも知れないとか。アナフィラキシーは治療が必要な状況だけど、良薬口に苦しと言ったところかも知れない。また、二回目の方が副反応は強めに出るとか。6月予定だが,少し心配かな。打てないよりましだけど。

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5月30日(日) ギャーギャーとオナガの夏や屋根の先

(独特の声が屋根の向こうに聞こえてくる、オナガが来る時期だ。姿はまだ見ていない。)

最近、衝撃だったのは入管でのスリランカ女性死亡問題。初めてTVで実際の画像、遺族の方の声を聞き,ショックでした。新聞やTVのニュースで文字だけ見て、説明を聞いてもあまり実感がなかったけど、外国人に冷たい国、仕組みだと思いました。「日本を信頼して来たんです、同じ事をされたらあなた達はどうしますか!」遺族の妹さんの怒りの声。重いですね。

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5月31日(月) 蒼穹の晴れ渡る朝五月尽(五月が終わります。雨の季節はどうなるか?)

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オリンピック開催、ここに来ても固執し続ける政権。戦前の、精神論でアメリカと戦った感覚を感じます。悲惨な敗戦にも基本を変えず、良くも悪くもアメリカの外圧で変わった歴史を見るようです。戦後、長い時間をかけて戦時体制が蘇ったのです。前総理の復権も噂され、この国の政治とは一体、何なのかと改めて感じます。幻想の民主主義国家なのでしょうか。

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ウイルス変異種ベトナムでインド型とイギリス型が組み合わさった変異種が確認されたとのニュース。空気中の感染力が強力なタイプと思われます。ベトナムは日本に来る人が3番目に多い国、また多くの日系企業も集まっています。ワクチンが間に合うかどうかより、海外との窓口から新たな脅威が入ってくる可能性の方が高いと思います。来月、二回目のワクチン接種を予約できましたが、ウイルスの変異スピードに対抗できるか、とても不安です。

五月、皐月、早月、早苗月 May

5月1日(土):薫風にこの身をゆだね歩き出す(ああ、今日から五月、良い季節が来た)

朝は爽やかだったが、宮城で震度5地震が発生したり、夕方から激しい雨になって風雲急を告げる様相になっていった。コロナ感染感染者数も急増を続けている。

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5月2日(日) カレンダー巣立ち写真の皐月かな(五月のカレンダー、巣立つ野鳥の写真)

五月は新しい命が芽生え育っていく時期です。5月2日東京新聞日曜版の気になる記事、日本での農薬使用でミツバチの死滅が進んでいる、と言う内容。主要作物受粉の7割にミツバチが介在、いなくなれば生産が危うくなる!自分が小さかった頃の農業と今では雲泥の差なのでしょうか、悲しいです。でも事はそんな感傷的な内容ではなく、今回の様なコロナ感染禍や戦乱で輸入が絶たれたら食料が手に入らない、重大な国の安全保障に直結します。

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安倍前政権下で規制緩和の名の下、TPPを促進し食品安全の規制も緩和し続け、農薬使用量は韓国と並び世界トップクラス。農薬過多により、ミツバチ死滅含め自然環境劣化で食料自給ができない恐怖に直結する問題です。また、専門家は日本の医療費が50年前の100倍以上になった!背景に農薬による食品の質の劣化を指摘。特に子供達を安全な食べ物で守る重要性を強調しています。食べ物は良好な自然環境で創るもの、工場管理の発想で取り組むのは間違いです。

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5月3日(月)薫風も吹き飛ばされるこの五月蕪村:薫風や恨みなき身の夏ごろも)

江戸時代は気温自体も現在より低かった事もあり、爽やかな五月の風が吹いていたのでしょう。昨日は強い風、竜巻!の被害も出ていました。まるで海外のニュースのようでした。

初夏になったと言われて、でも強風の日が多いのには一寸閉口する。

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5月4日(火)トルコ桔梗オンシジウム合掌の日(母の命日に買う。)

四月、五月、六月は誕生日や命日が重なっている、花を飾り線香を立て手を合わせる。

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欧米の歌、You Raise Me Upなどはキリスト教の考え方なのか、天国は高い場所で、ひたすら上を目指す感じが強い。片や仏教、禅などは丸い円で現世と来世の結びつきを表したりする。西方浄土も日本から見たインドなので西の海の彼方。中東トルコは西洋と東洋の出会う場所であり、トルコ桔梗の花言葉は「希望」「永遠の愛」らしい。西方浄土も今は困っている。

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5月5日(水) 立夏夜半まで耳鳴り続く端午かな

こどもの日、連休最終日。コロナ感染が減ってきた?いやいや連休で検査数が少ないだけの話。

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5月6日(木)恐怖呼ぶ変異種伝播インドより

★インド変異種、インドでも最初感染者数が日本より低い割合だった為、押さえ込んだと思い、普通の生活に戻し、ヒンズー教の宗教行事で人が超密集、感染爆発を招いたらしい。日本も大した事は無いという根拠の無い自信で、オリンピックという祝祭行事に突き進み決定的な感染爆発を招くことになりそうだ。しかもインドで広がった厄介な変異種と、米国西海岸で発生したアジア系に特化したような変異種、この二つが合わさりもしかして日本型と呼ばれるような特異なウイルスに変わるかも?最悪のシナリオかも知れない。(と、TVで言っていた。)

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5月7日(金) バブルでは弾けてしまうオリンピック(もし包むなら、感染した国民だ!)

  • 昭和史、戦前編:主に英語(米語)と日本語での意思疎通が歴史に影響した事例。

(1)日米開戦前の交渉でアメリカ側がハルノートで「Chinaから日本は撤退せよ」とした要求、アメリカ側は満州(当時日本領土)は考えていなかったらしい。日本側は、満州も含めた要求だと受け取め、この勘違いの結果、「それは飲めない!」となり、太平洋戦争に突入した。戦前の大日本帝国体制、陸軍の頑迷、閉鎖性を考えると戦争突入は時間の問題だったかも知れないが、もっと意思疎通できていれば開戦は避けられたかも知れない。

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ポツダム宣言:当時の鈴木貫太郎首相はポツダム宣言が無条件降伏だったことに、黙殺するとのコメントを発表、連合国側ではでこれが「Reject」=拒否、と受け取られ広島、長崎の原爆投下に結びついた。当時の軍部による圧力があったとは言え、あまりにも大きな犠牲を伴う結果を招いた。蔓延防止策と緊急事態宣言の差でバタバタする今は、敗戦時と同じ様相だ。

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日本とドイツ、第二次大戦の敗戦国。二国の敗戦時の政治の状況は大きく違います。ナチスドイツはヒットラーが自殺、ナチス党政治体制は壊滅しますが、日本の政府は残っていました。当時の明治憲法下で戦争まで突き進んだ責任は、進駐軍により取らされますが、結局、関わった政治家の多くは復活します。敗戦時は天皇制護持の考え方が主流でした。

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5月8日(土) 薫風やヤマモモの実まだ青し(街路樹が剪定されて青い実が見えていた。)

昭和史、戦後編:新憲法制定のプロセス:敗戦後も政治体制は天皇制維持に動いていた。

(2)占領軍総司令、マッカーサーと近衛国務大臣(当時)の会談。ここで日本側の通訳は「政府の構成」を変更すべきか?とconstitutionを使い質問、マッカーサーはConstitution=「憲法」だと思いそれは一般的に「変えるべき」と回答した、と。さらに近衛さんは自分に憲法を変えろとGHQが言ったと勘違い。当時の米側の記者の記録にあったそうです。日本側の記録は「憲法を変えろ」と言われた事になっている。言葉の行き違いで歴史が動いたのだろうか。

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5月9日(日) 皐月空はや紫陽花の散歩道 (紫陽花も花をつけるのが早い感じがする)

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5月10日(月)夏来たる竿ダケ売りの声雲に

(久しぶりに、タケや~竿ダケの声を聞く。まだ五月だが夏日の空に雲が湧いていた。)

今の日本でも相変わらず英語がもてはやされ、色々な言葉が普通の日本語に代わって横文字日本語化しているけれど、どうも翻訳が一つの意味に限定され、独特な英語の日本語化になっている気がする。歴史上でも、戦争に関する重大事に言語の「誤解、誤訳」で物事が決まったというのは驚きだった。SDGsはどの位の期間生き残るだろう。大事な意味の言葉だけど。

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5月11日(火) 雀の子ふわり飛び入る花畑(雀の子は春の季語、小雀(コガラ)は夏)

憲法九条、戦争放棄は日本の平和憲法を象徴する内容です。この案が敗戦当時の幣原首相とGHQ責任者マッカーサーによって話し合われた結果、憲法に盛り込まれました。勿論、背景には日米大戦だけでも四百万人以上の犠牲者を出した事等への反省や鎮魂があったのでしょう。マッカーサー自身もきっと多くの仲間を失った経験があり、本音で戦争を無くしたかったようです。しかし彼はその後、朝鮮戦争の指揮官になっていきます。平和支持者だから平和憲法を望んだ訳では無いようです。大統領になりたかった政治家ですね。

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マッカーサーは混迷する日本政治に業を煮やし、当時の若い進駐軍メンバーに権限を与え平和憲法制定に道を開いたことは間違いないようです。この事をもって日本国憲法は押しつけられたと言う論調を、今でも時折聞きますが、若いメンバーを突き動かしたのは殺し殺された多くの命、怒りと悲しみの心が「平和」を強く望む原動力だったと思います。それなのに今、この平和憲法をなし崩しにする動きが強まっているのは、祖先の霊を汚すことだと思います。歴史を見ると、戦中から残った政治の力が、今も保守政治家達の根底にあるのではと思います。

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5月12日(水) 曇り空夏日かくして薔薇映える(曇りの方が薔薇の色がテカらず奇麗に見える)

9日の新聞の社説:2014年の安倍内閣での閣議決定集団的自衛権行使は合憲」は法的クーデターと憲法学者が指摘。亡くなった半藤さんも「戦前の国家ナショナリズムの広まり」と、憂慮していました。また、60年前の米軍基地拡張に対する反対運動で「在日米軍憲法九条違反」というビックリ判決、伊達判決を東京地裁が出しました。その後、最高裁が政治判断に是非を出さない?と言う結果で差し戻されますが。買ってきた本や新聞で得た知識でしか無いけど、歴史はすべて繋がっている感じがします。現在のコロナ対応のドタバタと戦前の無謀な戦いに共通点を感じてしまいます。どちらも犠牲になるのは私達、一般の国民なんですね。

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5月13日(木) 梅雨来ると五月なかばに聞く予報(そんなバカな,と思うことばかり起こる日々)

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5月14日(金)日本にもオードリー欲しいと夏夕べ

コロナのニュースを聞いていたら,急に日本にもオードリーが欲しいと言い出す。ヘプパーンの事かと思ったら,台湾のオードリー・タン氏、デジタル天才の政治家だ。全く、そんなことを言いたくなる無策無能の政治に恐怖を覚える日々が続く。この国に居るのは,トリはトリでも、アホウドリとシラケドリだと口走ってしまった!無口でもお地蔵さん達の方がまだましだ。

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5月15日(土)うわ風に故郷の麦とカワラヒワ(上風:くさきの上を吹き渡る風)

蕪村、初夏の清風の句>うは風に音なき麦をまくらもと青い麦畑のそよぎが枕元にとどく)

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新型コロナ感染がどうも大きくなってきそうですね。オリンピックも近づきワクチン接種もスムーズに進まず、この国は第二次大戦に負けて,今回はウイルスに負ける国になりそうです。

オリンピック担当大臣が、絆などの「精神論」で開催強行の説明をしようとするなど、やっぱり竹槍で戦争に勝つぞ、などとけしかけた戦前政治の伝統を継承しているんでしょうね。空襲でも、逃げずに火を消せ!と最悪のスローガンを作った伝統です。現在の安心安全もその一つになりました。丁寧な口調で事実と反対のことを言う、結果について責任を取らない。世も末です。

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4月後半:変異ウイルス感染逼迫

大阪を中心に変異種の急拡大で実質の医療崩壊、要因としてPCR検査の拡大を怠り早めに経済優先に舵を切った事、大阪都構想で公立病院の統廃合を図ってきた事もあるとか。ワクチンが無い現状では、人流を押さえる事以上の防止策は無い証明になった。国と東京都はオリンピックに固執PCR検査、変異種検査も増やさず実態把握が出来ていない。なのに東京に来ないで!とか責任転嫁のアッピールに終始している。東京オリンピックには海外の医療部門からも懸念表明が出ているが、聞く耳は無さそう、とにかく突き進む?!この国に科学は無い。※(写)日本最初の禅寺、建長寺。登山道にも通じる参道奥にあった達磨大師像。

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4月16日(金)この春や増税準備の税込み(価格表示を税込みに変えたのは、今後の増税の為ではとの指摘。コロナ経費増のため?でも今回コロナ禍で困った人に税金使ったかな?)

久々に本屋にいき、何気なく見ていたら1月に亡くなった半藤一利氏の「昭和史、戦後編」を見つけ買う。900円の価格+税90円で、計990円。惜しかった、後10円足りずに駐車場の割引が受けられなかった。

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4月17日(土) ヘッドライト春雨浮かぶ交差点(車のライトに雨脚が見える、早く帰ろう)

田舎から出てきて初めてのアパート一人暮らし、偶々FMラジオから流れた曲、Without You: Nilssonの歌だった。仕事に草臥れて横になっていたら、いきなり自分の名前を母ちゃんに呼ばれたようで驚いた。まだ難聴になる前だけど、慣れない都会にめげそうだった時に「I can't live」のIは聞こえず、キェァンリ~と叫ぶ声がケンジ~!に聞こえたのだった。

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外国の歌詩など理解も出来ず、その叫ぶ悲痛な声だけが記憶に残った。最近になって久しぶりに聞き、歌詞を確認したら男女の別れ話で、「おめが居ねば、おら、いぎてゆげねえだ」といった情けない叫びだった。勘違いで励まされた自分はアホだけど、あの時期をとりあえず生きられたから良い曲だったと信じている。音楽は人を救う!!

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4月18日(日) 小手毬の花散り初めて紫蘭咲く(百花繚乱には遠いが、小さな花壇も賑やか。)

小手毬の花は晩春の季語で紫蘭が初夏の季語。でも一緒に咲いちゃったから仕方が無いね。

雨が止んで明日からは気温が20度位とか、初夏でも充分通用する。こんな変化が激しい気候になって来たのは、今の荒々しい世相を映しているからか?温暖化のせいか??

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春嵐(ハルアラシ)人も吠えおり雨戸越し(風が強い日、誰かが吠えるような大声。春のせいか?)

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4月19日(月) 牡丹餅と菖蒲芍薬命日に(牡丹餅は春、花々は初夏の季語。義父の命日)

今朝、牡丹餅を作っていた。ショウブとシャクヤクに添えて仏壇代わりのテレビ台の上。

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4月20日(火) 遠蛙(トオカワズ)聞くことも無く街は暮れ

※トオカワズ、遠くで鳴く蛙の声。(小さい時、春は田圃で鳴く蛙の大合唱を聞いたなあ。)

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4月21日(水) 墓守の満天星(ドウダンツツジ)風さやか(竹の葉ずれ音を、さやと言うらしい)

裏道にある、小さな墓地に咲く白い小さい花が風に少し揺れている。満天星=中国表記。

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パイプ錆二十八回春はすぎ

築28年位かな、水道の配管に錆が出て業者さんに診て貰う。知らぬ間に時は過ぎていた。

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4月22日(木) 取り壊し春昼(シュンチュウ)一点影みせて(密集した家々の中、灯りの無い隙間)

すぐ近くで家が取り壊されていた、生活の破片を覗かせながら段々と更地に戻っていく。

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4月23日(金) いまごろは眠りから覚め山笑う(田舎の山も、春の色になっているだろう。)

山笑う、が季語ですが「山眠る」も冬の季語だとか。5月に帰省が多かったので、高速から見た田舎の山々が朗らかに色づいていたのを思い出します。先日、建長寺で春に紅葉したモミジをみました。一説に春先は葉緑素がまだ少なく、葉自体の色が出てくるようで、チシオモミジと言う名の木もあるとか。この木がそうかは不明ですが、この後葉緑素を蓄えて一旦緑になり、秋には紅葉するらしい。若葉の中の紅葉も、なかなか奇麗でした。

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4月24日(土)建長寺大手毬(オオデマリ)咲く春の景

先日撮影してその名前が分からなかった花、アジサイのようだと思っていたら検索で大手毬の名前、小手毬の親分なのか?と思ったら、スイカズラ科の花で根本的に違うそうです。小手毬はバラ科の花で晩春の季語。大手鞠は4月中旬から咲き出しますが、初夏の季語。

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4月25日(日) 日本海 波の彼方のマグノリア(もしかして中国から仏教と共に来たのか?)

建長寺の境内で見かけた花、名前が分からず検索を重ねてやっとたどり着きました。モクレン科のポートワインマグノリア、和名:紅花カラタネオガタマ(唐種招霊)、まるで固い実が弾けて花に変わったかのように見えます。どんな由来なのか不明ですが、変わった花です。

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三度目の緊急事態宣言、東京、大阪、京都、兵庫。人出の減少は少なく、出口が決まっている宣言は皆の心に響かない。東京近県は今まで通りの状況、この日の衆参3選挙、自民全敗。

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4月26日(月)落椿(オチツバキ)残り香ひそか裏通り

建長寺境内の薄暗い小道、誰も居ないのだが何となく気配を感じる。ここにドロタヌキは居ないだろうけど、人間が自粛生活で減ると野生の動物が増えてバランスは変わる様です。で、つい考えすぎますが、手強いコロナは、増えすぎた人類への自然の防御対策かも知れません。

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先日、19日に買った芍薬は暫く蕾のままで心配でしたが、やっと開きました。

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4月27日(火) 温暖化牡丹芍薬咲き揃い(牡丹も芍薬も初夏の季語、でも最近は早い感じ)

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インドが感染爆発で酸素ボンベが足りない!死に直結した人が救えない!このインド型ウイルスが日本でもすでに確認されている。インドはワクチン生産国で押さえ込んでいたのに。

ワクチンが効かない?日本のいい加減なワクチン接種で不安だったのに、それすら効果ない!

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4月28日(水)行春や天平の甍思いつつ(お寺の大きな屋根の上、鳶がゆったりと飛んでいた)

井上靖の小説「天平の甍」を読んだのか、それとも映画の一部を見ただけか記憶があやふや。奈良時代は中国、唐がアジア圏の中心だった事が不思議だった。今は嫌う人が多い国だけど、今回のウイルス感染の死者数が日本の半数以下という事は、善し悪しを越え事実だ。

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4月29日(木)昭和の日:春令和 耐え忍べよと先人の(昭和史をきちんと習っていません)

もともとは昭和天皇の誕生日。連休対応か一旦、みどりの日としてその後昭和の日になった。

昭和は62年続いた、最も長い年号らしい。前半は戦争の世紀で、特に第二次大戦の敗戦で国が大きく変わりました。読み始めた半藤一利氏の昭和史、敗戦直後の焼け跡で、いい加減な政治家達と、ある意味たくましく生きざるを得ない庶民が、もがいていたことを知りました。

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昭和20年8月15日、第二次大戦終了。半藤氏の昭和史によると、この直後に当時の首相が「敗戦の理由」を聞かれて、一億総懺悔という言葉を使い「政治も悪かったが国民の道義がすたれたのも原因の一つ」と話した事が書かれていました。国民の道義??拒否できない徴兵で集められ、死ぬことを強制されていた兵隊・国民に何の責任があるのか今読んでも理解できません。政治体制と軍部の判断ミスで殺し殺された国民ばかりだったのに。

※当時の首相=東久邇宮(ひがしくにのみや)稔彦王、皇族ですかね。

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昭和の日そして歴史は消されゆく

しかも半藤さんの指摘は、この発言で、そうか国民含め皆の責任で戦争に負けたのか、と言う論調ができ、具体的にどんな事実があったかの検証と反省が行われなかった、と言うのです。戦争が始まった理由、敗戦の原因などもきちんと事実を検証する必要があるのに、未だにうやむや。東京など主要都市が空襲で焼け野原になった原因と被害者への補償、謝罪も無し。

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4月30日(金)母作るカタカナ言葉苺ジャム(農作業が好きで露地栽培の苺を作っていた。)

(先日、採ってきた苺をジャムに。昔、母が最初にジャムを作った時の驚きを思い出す。)

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ふと、今のコロナ対応で亡くなる人達は、極端なことを言うと政治の不作為で命を落とした被害者と言えるのでは?と思いました。ガンや脳梗塞などの手術予定も病棟が使えず先送り、重症の人にとって日程が延びるのは命取りです。不要不急という言い方でコロナ優先、その影ですでに重篤な症状に苦しむ人は、声も上げる事すら出来無くなっているそうです。

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それに、肝心のコロナとの戦いも敗色濃厚です。後日コロナ敗戦の原因が、自粛指示に従わなかった国民のせいだったと言いかねない、と背筋が寒くなります。で、オリンピックやるんですかね。変異種に変わったコロナとの戦い方は、まるで太平洋戦争の日本軍、竹槍で原爆に立ち向かうのですか?屍の上でオリンピックを祝祭として執り行うのですか?都知事や担当大臣が何を言ったかではなく、無念の死に追い込まれかねない国民の声を聞くべきです。

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