今年の秋は雨が激しく災害も多かったが、やっと少し落ち着き晴れた日に久しぶりに出かけた。
9:00AM,カメラと三脚を担ぎ水場に近づく、すでに一人三脚を置き鳥が出るのを待っている人有り。その後も段々と野鳥撮影の人達が集まってくる。思ったより多いわけは天候の回復だけで無く、目撃情報のあったツツドリ(カッコウの仲間)が目当てのようだ。こちらは何でも良いから野鳥を撮影したかったが、目の前の枝にきたジョウビタキの雌にも焦点を合わせられずオタオタするばかり。実ったクサギにやってきた様だった。春咲くクサギの花にはクロアゲハが集まり、秋の実には鳥が来る。
暫く無駄な時間を過ごした後、水場を離れ彷徨っていたら聞こえてきた木を突く音を頼りに探し、やっと撮れたコゲラ。視力が落ちたため細かい部分の確認が裸眼で出来ず、出がけに眼鏡を忘れていた事を悔やんだ。でも何とか写っていて良かった。何となく久しぶりにコゲラを見る感じがする。懐かしい。
- 急ぎ足 食い込む三脚 コゲラ呼ぶ
- コッカッコッカッコッ 木々の奥間の 音コゲラ
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公園の端にある畑に広がるコスモス、すでに盛りは過ぎていたが遠目にも秋の色が見て取れる。誰も居ない畑で風に揺れるコスモス達、今年の自分にとっての秋の一景だ。
- 赤白に 揺れそよぐ風よ 秋桜よ ●遅れきて 秋桜畑に 一人立ち
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当たり前だが外に居ると風が少し冷たく心地よい。少し頭を冷やす良い機会だなあ。撮影で良い写真を得るには、沢山の失敗を繰り返す中で、時々出会う幸運が無いと良い結果は手に入らないだろうという事を改めて思う。下手の鉄砲数打ちゃ当たるさそのうちに。知識も無く要領も悪く記憶は消えてゆき指先は動かないのだから。
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気を取り直し公園中央にある池に来ると数羽のカルガモが淋しい湖面を泳いでいた。と思っていたらやたら水音を立ててその中の二羽が絡み合っている、小競り合いなのかなと見ていたら同じカモがやはり同じ一羽に乗っかったり追いかけたり、しつこく絡んでいた。もしかしたら繁殖の行動か?直接聞くわけにも行かず何枚か撮影。でも鳥の繁殖では週刊誌にも売れないし。結局、何なのかよく分からないが傷つけ合うような行動では無さそう。
- 秋の池 水面走り飛ぶ カモの謎
●カモ乱舞 シンクロかアートか 秋水面
一人公園を歩き回り、一息入れているとヒョイヒョイ尾を振りつつ寄ってきた背黒鶺鴒、元気だったか?と聞かれたような気がして暫く視線を交わす。
- 優しげに 寄りくる鶺鴒 しばし居り ●枯れ野では セキレイ先行く 我を連れ
飼い猫や犬と違い野生の鳥が人に媚びを売ることは無いが、何だか人なつっこく感じる時がある。同じ生き物だからなどと思いたがっている自分がいる。
一回りして水場に戻ると沢山のカメラマンが同じ方向を見てシャッターを切っていた。いきなり割り込めず反対側で落ち着くのを待っていた。ふと少し先の枝を見ると何かが居る。そおっとファインダーを覗くと最初撮り損ねたジョウビタキの雌だった、何かくわえているようだ。今度こそと焦りながらシャッターを切る。
- これ見よと 虫喰み見下ろす ヒタキかな ※ヒタキ=ジョウビタキ含む
- ヒタキ飛ぶ 人皆動き 音響く ※カメラマンが一斉にシャッターを切る様子
どうやらバッタを捕獲したようで、心なしか得意げに可愛い目がまん丸だ。ジョウビタキは割合大胆な感じがするし雌はなんだか愛嬌がある。家の近くで見かける野鳥もここ数年急に減った感じがしてとても淋しいが海のプラスチックゴミ以外にもヒトが壊してしまっている環境劣化の影響が段々と出ているような気がする。思うことだけで何も行動できていないから、グレタさんにHow Dare Youと怒られそうだけど。やっと撮影でき嬉しい。ありがとうジョウビちゃん。
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稗(ヒエ)クサギ 秋のみのりや ヒヨの喰む ※ヒエは昔の食料だ。ヒヨドリは鵯(ヒエドリ)とも書く。
●細道に せめて秋桜 あれかしと
近所の庭木があった家もヒトが消えてどんどん更地になり、一棟だった敷地に小ぶりな家が数軒建つなどヒトの『経済活動』は活発なようだが、おかげで僅かな緑も消え、虫や蛙や昆虫も減り餌が居なくなってトカゲや小動物が消え、野鳥もそのうちに嫌われ者のカラスさえいなくなり、訳分からん実態の無い『経済効果』だけが残るのだろうかこの国は。
こんなこと考えているから引きこもるのかな。せめて来年もコスモスを見たいな。