つぶやくdorotanuki

小さい穴から見える外界の様、過ぎる時代への雑感をつぶやく

3月●弥生空 天地乱れ コロナ舞う●

弥生の空に舞うのが、コロナウイルスでは無いことを、武漢と同じ轍をこの国が踏まないことを祈りたい。

●3月ある日の夕方、沈む太陽と飛行機雲が面白い景色を作っていた。まるで空が爆発したかのようだった。

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昔の富士山の写真、太陽が出てくるとき回りの雲を丸く吹き飛ばしたような、山頂が覗いた一枚を見つけた。願わくばこの3月に、不安感という暗雲が少しでも取れて、普通の日々に近づくことを祈りたい。

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1日:コロナ波 押し寄せ来るや 春ひそか

生活のリズムが大きく変わり普通だった事が出来なくなった。子供達は学校から締め出され、親達は右往左往して生活のリズムは調子外れになったまま。我々もいつもの事が出来なくなって、巣ごもりと称し押し込められている。

今年はまた桜の開花時期も早まり、季節感も大きく変わった事を実感させられる。TVで温暖化とウイルスを結びつける話を聞いたが、経済優先での自然破壊、温暖化がウイルス拡散を助長する話は説得力があった。

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2日:春雨や 葉陰たわわに 雀鳴き ●春雨や 庭に雀の かしましき 

今朝は寒い雨、冬が戻ったような日だ。朝、窓を開けると隣の柿の木に雨宿りの為だと思うが、沢山の雀が群れ来て鳴いている。寒そうに丸まって賑やかに囀る。最近、近所で野良猫は見なくなり冬場の野鳥も姿を見せず淋しい中、雀の元気さが嬉しくなる。雨戸を開くと一斉に飛び立つがすぐに戻ってまた囀っている。

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3日:ふと気づく 飾り無き今日 雛祭り

ガラス越しの雨を通して景色を見ると、見えるはずのない物が浮かんでくる。昨日スーパーの入口でワイパーを止めて外を見ていると、金色の鬼が浮かんできた。これは吉兆なのか不幸の前触れかコロナウイルスの襲来か!

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人はどうしても自分の見たい物しか見えず、聞きたいことしか聞けず、世の中に対して諦めでしかケリをつけられない。そんな自分は、見えるはずの物がボヤけ始めて、慌てて対象を見つめようと努力している。

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4日:花曇り 南半球 火事だから

(オーストラリアの大火災が、地球の気流を変化させて日本の暖冬に影響しているらしい?朝のラジオで)

ウイルス対策で、出かけないことに少し飽きたので昼を食べに行く。最近お店の閉店が多い近所、そんな中まだ残っているイタリアンのお店で味は中々良い。他には一組先客がいたが、まもなく出て行き、代わりに一人で入ってきた中高年の男性は昼間からワインを楽しんでいた。見た感じは一人ゆったりと時間を過ごしているようで羨ましいが、実体は分からない。

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5日:啓蟄春愁い 足指裏が 硬くなり

(足の感覚が気になり触ってみると一部が硬くなっている。)

啓蟄に 猫座りおり 寺の庭 (鎌倉のお寺で見かけた猫)

田舎やお寺や神社などであれば庭などの土がむき出しの場所で、文字どおり啓蟄を実感できるかも知れない。花壇しか無い家でも僅かな土の部分で、運が良ければ小さな春の虫たちの活動を見ることが出来きるかなと期待。

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6日:3月の 床リノリウム 脳検査

(5年の検査で大きな変化は無かった、一先ず安堵する。)

今は病院に行くことに少し神経質になるが、一年前からの検査予約なのでMRI検査に行ってきた。病院の床は無機質な感じで、検査を待つ間これから異次元に連れて行かれるような感覚に襲われる。そういえば昨年この病院の待合室で、咳き込む人にお多福風邪をうつされ肺炎とのダブルパンチに苦しんだことを思い出した。しかしその際、肺炎球菌の薬を飲んだからもしかして今回の新型にも抵抗力が・・・関係ないようだ、残念。

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7日:花曇り 白湯含み聞く サラオレイン

家に居てお茶やコーヒーばかりでは飽きが来る、さっぱりしたサラオレインの歌でも聞きながらを白湯を含むとほっこりとする。別に外出規制されているわけでは無いが、余り出たいとも思わない。気分がそうさせるのかな。

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8日:冴え返る 彼岸会中止 葉書来し

(新型コロナの影響はまだまだ広がり続け、日常がどんどん壊れていく)

先日の病院の入口では、事務員らしき若い女性二人が熱のある人への声がけを間断なく続けていた。大変そう、声がかれなきゃ良いけど。もし医師が感染したら医療崩壊になっていくのではと余計な心配が広がる。

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9日:電線を 取り払いたや 春の富士

(街から富士山を見ると、ビルや電線が邪魔をする)

目で見たときには余り感じない物が写真になると俄然気になる、人の目は見たい物を強調するようだ。見たい物しか見えず、聞きたい音しか聞かず。無眼耳鼻舌身意(むげんにびぜっしんに) 般若心経より。

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10日:春の宵 富士の影止め 赤信号

赤信号、自転車の子が停まり自分も停まる。歩いていると一緒に変化する景色、赤い夕空に遠くの富士山の影も一緒に停まったように見えた。

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11日:フリージア 黄色の蕾 ゆるみきし

プランターに残った三本の茎と長い葉、名前が思い出せなかった植物は、フリージアだった。硬そうな蕾が付いていたが、今朝見たら黄色い筋のような色が見え、蕾の堅さもほぐれてきたように見える。

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●桃花の 固き蕾に 黙祷す

(3.11,公園にいたら、午後2時47分過ぎ黙祷のサイレンが鳴った)

公園の桃の花は一部開いて居るがほとんどが蕾のままで、これから咲くのだろう。撮影の準備をしていたら公園のゆっくりとしたアナウンスが東日本大震災の犠牲者へ黙祷を呼びかけ、サイレンが鳴った。9年前の大災害、原発事故が無かったらもっと違った今日が有ったと思う。復興をアピールする向きもあるが、まだ被害の後遺症に苦しむ人は多い。

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12日:故郷を 柔らに包め 朧月

夕方、空を見ると曇り気味の夕空にぼんやりと丸い月が出ていた。普段は誰も住んでいない故郷の生家でも月が見えるだろうかと、離れた場所から月を通して思い出している。今年は帰省の予定が立てられない。

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13日:春愁 コロナショックの 見出し来て

(朝刊一面、WHOパンデミック表明、新しい局面に入った)

中国、日本、韓国からヨーロッパそしてアメリカでも感染者が急激に広がっている。驚くこと以外に出来ることは無いが、落ち着かない気分にさせる。相変わらず騒がしくなると色々な反応がTVや新聞を賑わす。通っているジムのプログラムは中止なので、行ったとしても自転車漕いで風呂に入るくらいしか出来ない。それも感染が出たらその時点で閉鎖するらしい。ウイルス感染の広がり、トンビやカラスたちはどうするのだろう?

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14日:菌被爆 皆立ち竦む 春となり

(だれしも先の見えない不安に苛まれているようだ。)

道路際の家が取り壊されていた。表は幔幕で隠されていたが、脇に入るとすっかり骨組みをさらけ出し家の外壁の一部だけが残っている。剥き出しになった家の内側は住んでいた人の痕跡が漂っているよう。

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15日:猫転び ヨガ始めるか 春昼に

(※しゅんちゅう、ヨガ?は向かいの庭でいきなり始まった) 

猫が仰向けに寝転び、前足を上に上げ右に左に揺れ始めた、何かをつかもうとしていたのか?まるでヨガで左右に体を揺する仕草のようで思わず笑い出しそうだったが、こっちに気づいた猫はサッと起きて行ってしまった。

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16日:脂肪肝 健診結果の 寒き春

脂肪肝を超音波検査で二年連続、指摘された。痩せていて問題無さそうだが肝臓表面に霜降り状の脂肪が乗っている、時々こんな人がいると言われた。少し気をつけるように、とのこと。健康診断しました、というアリバイのようなものかな?ともあれ、夜の甘い物を無くすようしてみるつもりだが。

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17日:卓囲む 感染忘れ 春しばし (心配はあるが、ま、良いか)

貸し切り状態の雀荘で牌を打つ。これではお店の経営が心配ではあるが、久しぶりに仲間が集い、つい大きな声を出しても誰も文句は言わない。夕方、帰りがけに他のグループが入ってきた。2組目の客かな、落ち着くまでは店も耐えるしか無いのだが、人ごとながら気に掛かる。 (ナベヅルの飛翔)

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18日:小ガモの音(ネ) 枝間を探し 春薄暮

綺麗な囀りに、野鳥を探して池の畔の梢を見上げていた。しかし、かなり長く探しても声は聞えるが姿が無い。仕方なく日も落ちてきたので携帯のビデオに録画。家に帰り野鳥の声を再生しビデオを聞きながら探したが分からず。ふと撮った写真は池の小ガモだったのでその鳴き声を再生すると、なんとほぼ同じ声。相手は目の前に居たのだ、木の枝にカモが止まることは無い。でもルリビタキのような綺麗な声だった。

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19日:三月を ただ生きてをり フリージア(日々花が開いて行く、楽しみに見ている)

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20日ヨモギ 微かに香る 彼岸かな

(小さい時、畦でつんだヨモギを入れて作る草餅が好きだった)

今日は春分の日、そして●●年目の結婚記念日だった。二人ともすっかり忘れていて、ボタ餅を食べた。此岸に居る私たちは幸せなのだろうか。彼岸に居るご先祖に聞いてみたくなった。

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21日:手の汗よ スマホ契約 永き日の

(契約を理解するのがどんどん大変になっていく)

3月に入って携帯会社から料金変更のパンフレットが来ていた。先月くらいから例えばジャパネットの安いスマホを見たり検討していたが、どうしてもサポート等の不安が払拭できず、田舎や山の中でも通じやすい会社で安くなるならば変更しようかと悩んでいた。結局、なんだかポイントが付くからと言われ電話で二日かけて変更した。電話対応者は、一人で全て説明できるメンバーがいなくて内容に応じて担当が変わる、と言うことは内容が複雑、煩雑と言うことの裏返しだろうと思った。担当者でそうならば、我々には推して知るべしだ。

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22日:聖火来て 風吹きすさぶ 春となり(海外からも中止の声)

   ●春場所や 千秋楽も 無観客

昨日ギリシャから聖火が運ばれ福島で式典が行われたが強風で散々の式典だったらしい。また、海外からオリンピックの延期を望む声が出てきており、日本の無責任体質を指摘するコメントもあった。政治家の意地だけで国を動かしてはいけないと強く思う。相撲は無観客で何とか終了したが、これは国内の催しだから出来たと思う。

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23日:花時雨 傘閉じ見やる 枝の花 

時雨(しぐれ)は冬の季語のようだが、春に降る雨は花時雨と言うらしい。今日は晴れの予報が外れ、曇り時々雨になってしまった。傘を持たず出てしまい慌てたが間もなく止み、開き始めた桜を見あげ少し濡れて帰った。

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24日:花冷えに ゆでた卵を 潰しおり(昼のトーストに載せる具、準備してみる)

オリンピックの延期がやっと動き出した。今、この状況ではオリンピックなど考えられない。イタリアに続きスペインでも医療崩壊の状況になってきた。日本が感染増加でそこまで騒いでいないのが不思議なくらいの状況になっており、オリンピックがどうだとか国の責任者がもったいつけて話していること自体が異常な感じだ。

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25日:桜まだ ウイルスもまだ 広がりつ(このままでは首都封鎖も有り?)

久しぶりに行った親水公園の桜、まだ二分から三分と言った様子で来週くらいかな?と思われる開花状況。でも巣ごもりに疲れたからか、感染が一段落した感じからか親子連れなど多くの人が出ていた。気持ちはよく分かる。

家に帰ると東京都知事が緊急会見をして今後は外出自粛を呼びかけていた。首相の会見なども多くあったが、時機を逸して休校を解除する話なども出ており、皆が混乱する原因になっている。政治への不信感を増長しそうだ。

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26日:横文字が 溢れかしまし 春嵐

(沢山の人がカタカナ言葉に反感を持って聞いていたようだ。同感)

家に居るからお昼はテレビのワイドショーで世相を報じているのを見る。昨夜の都知事会見についても辛口な批評が多く聞かれ、そうだそうだと相槌を打つ。世界中で深刻な状況になっており、医療崩壊が現実の惨状や進行の早い病気の実体など、恐怖する事実を取り上げている。一方国内は基準を示さないまま脅かすような曖昧なたとえ話が政治家から多く出され、本当の危機管理が出来ない人間が権力を持っている恐怖を感じる。

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 27日:ドラッグに 長蛇の列や 花曇り

一旦ゆるんだ感じがあったが、感染者の急増にあわてて東京と近郊の知事がテレビ会議を行い、外出自粛を喧伝し休日の東京集中を避けるように要請も出た。そのせいか昨日から買いだめに走る人が増えた。

今朝、週一回の買い出しは普段より一時間ほど早く出たが、スーパーに到着するとすでに沢山の人がレジに並び、肉類は棚から消えていた。また、開店前のドラッグストアではすでに長蛇の列が出来ていた。まるでパニック手前のような雰囲気が漂っていた。

確かに東京では40名以上の感染者が3日連続している。

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28日:なごり雪 降る予報あり 曇り空 

朝から暖かい。寒がりの自分が暖房をつけず過ごしている。昨夜の天気予報では午後から明朝にかけて寒く、雨になり、その後は平野部でも雪に変わる可能性あり、と言っていた。今年の冬は一回だけ雪がぱらついたが降り積もる事は無かった。それでも名残雪という言葉に淋しさと春が来る期待を感じる。さて、どうなるか。

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 29日:雪の朝 桜満開 人は無し

予報どうり朝の雨は気づくと雪に変わった。ボタ雪というのか重そうな雪が降ってくる。いよいよ国内の感染者数も急増の様相を呈してきた。リーマンショックなどとは比べられない大きな影響を私達に与えている。ウイルスに対抗する薬が無い以上、この影響はかなり長引いて生活が困窮してくる人達が増えるだろう。無論自分達もどう対処するか、手洗いや極力外出を控える以外、何の対応策も無い。ただただ何とか日々を無事に過ごしたいと願うばかりだが。今朝の新聞に目黒川の桜が見頃との記事があったが、ほぼ無人のようだ。(魚船も浜辺で待機中?)

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30日:イソシギや 桜三分の 川におり (花見の日初めて磯鷸を見た) 

シギや千鳥は見分けが難しく、今まで見ることも少なかったので、河原に居る鳥がイソシギというのは後で調べて、多分そうだろうという程度の自信しか無い。河原では周囲の色と同化して目立たなかった。シギは秋の季語らしいが、初めて撮ったので良いかな。

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 31日:弥生尽 人揺れ怯ゆ 激動の

今朝はこれから血液検査のため朝食抜き。たったそれだけで(空腹だから?)重い気分になる。まして熱が出てウイルス陽性などと宣告されたら気を失うかも知れない。いつもの仲間の集まりも来月は休もうか、という連絡が来て同意の返信をした。酒も飲めず金も無く一切縁が無いが夜のバーやキャバクラ等への出入り自粛を都知事が要請したとか。さすがに首都はお金持ちの濃厚接触者が多いと言うことかな?

現実的なウイルス対応のひとつは、緩やかに感染し自己免疫力で回復する、インフルエンザの予防接種もこの方式らしいが、そうだったのかと思わず納得する。但し重症化したら危険性が高いと言うことも、志村けん氏に教えられた気がする。自分という個人ベースでも国という大きなくくりでも、いやほぼ世界中がこのウイルスに悩まされる時期は先が長そうで、まだ出口が見えない。今日で三月が終わる ●弥生尽(陰暦三月の終わり)

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