つぶやくdorotanuki

小さい穴から見える外界の様、過ぎる時代への雑感をつぶやく

4月その弐(4/11~4/20)緊急事態宣言の国

11日:鯨尺 尺貫法の 春に消え(1960年4月11日メートル法採用を決議)

永六輔氏が鯨尺曲尺の単位、尺貫法を保存する運動を展開していた事を思い出した。10進法の論理的なメートル法への統一は、尺貫法の元で、それぞれの職人達が実務の積み重ねから創り上げ築きあげた伝統文化の継承や修復が出来無いことのみではなく、民衆の文化をも消していく事への反対だったと思う。今の英語偏重によるカタカナ言葉が日本語、方言を消していくことにも似た部分を感じる。

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小手毬の 小さく見えし この夕べ

グローバル経済と謳われた輝かしい世界の実体は、貧富の格差拡大や差別、また流通や観光産業の拡大による未知ウイルスの世界的な蔓延、という危険を併せ持っていたことを実証した。経済優先の自然環境破壊と温暖化の進行がこれからも人類への大きな脅威となってくる。今後の不安要素は生きる基本の水や食料の不足、空気の汚染などで、より悪化するのではないだろうか。国際単位の統一という60年前の出来事から今を振り返ってみた。

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12日:歴史有り 南京武漢 重き春

1927年4月12日、蒋介石が反共クーデーターで南京に樹立した国民軍政府。8月には武漢を攻略し吸収。2020年の今は共に新型コロナウイルスと戦っている。武漢の閉鎖は解除したがまだ終了してはいないようだ。

今は米国大統領が武漢から人為的なミスで今回のウイルスが広がった、と非難をしているがそれがウイルス感染防止に役立つ内容だとは思えない、原因は調査するべきだが権力争いに利用する時期だとは思えない。毎日が歴史になっていく、と言うことかな。

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13日:カイツブリ 寝起きの髪よ 春の池

最初は池に来ていた小ガモかと思ったが、潜りが得意なカイツブリだった。この鳥の季語は冬、冬場に数十羽の群れを作るらしいので冬になったのかなと思うが、これ以外になるほどと思う説明は見つけ切れない。歳時記の魚と鳥との分類が、至極いい加減(ことばの歳時記、山本謙吉氏著)との記載もあったから春の句でも良いかな。小さいけど目つきの鋭い、見ているとすぐに潜って消える可愛い鳥だ。

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14日:ウイルスの 地球揺さぶる 春悪夢

1912年4月14日タイタニック号沈没の日(イギリスの豪華客船)2200人中1500人余死亡。

2020年、日本でのコロナウイルス被害は、春節とイギリス籍のクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号から始まった。この国は島国だから、良い物も悪い物も海の向こうからやって来る。今回日本の対応は、最初に習近平主席への忖度から春節の中国人観光客をすぐに止めず、クルーズ船の感染対応では防疫専門家の意見を入れず、症状の分類もなく隔離し蔓延を拡げきり、またオリンピックの中止も即断出来ず初動が遅れ、対応方法も地域任せで一貫性を欠き、感染検査体制は未だ不十分、など多くの問題を指摘されている。隣の韓国は徹底した検査の実施から患者対応の分類を実施して急激な伸びを確実に押さえ込んだ、政治力の差が明確に現れている。

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15日:花曇り 季語探訪の 引き籠もり

(本を読んだり、パソコンで検索したりなので探訪というには程遠いけど)

(1)スジグロシロチョウと花蜂の戦いは蜜を求めて繰り広げられるようだ。蝶がタンポポに止まり蜜を吸いはじめた、するとそれをめざとく見つけた蜂が近づく<ブ~ンブン>

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(2)蜂が目標を見定め攻撃態勢に入った<ブーン!!>

この後、蜂にツンツンされて蝶は逃げていった。

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(3)蜜を探す花蜂の体は、花粉まみれだ。本当の勝者は花粉を運んで貰うタンポポかも。

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16日:朧なり 未曾有の厄災 国覆う

世界が大きく変わるかも知れないコロナウイルスとの戦い。出口は何時見えるのだろうか。今日、全国に緊急事態宣言が出たが、無策の政府に対する不信の声が大きくなっている、何しろ出てくる対策が後手、後手で感染者数も死者数も増加が止まらない。強いて言えば死者数がUSAやヨーロッパのような驚異的な数字ではないことぐらいが救い?だが、逆にじっくり嬲り殺されている気分だ。

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17日:下関条約(1895年)明治28年4月17日、日清戦争講和条約。清国、李鴻章と日本、伊藤博文陸奥宗光が下関で締結。この9年後、1904年2月から1905年9月、日露戦争。これらの勝利は戦前の成功体験として権力に記憶され、太平洋戦争での壊滅的な敗戦を経ながらも、脈々と現在の権力に引き継がれている、のかな?

▲若葉蜘蛛 菜花に擬態 命かけ

(生きると言うことは昆虫もヒトも同じ、食べる為にもがく事)

数年前に偶然撮った蜂と菜の花の写真、よく見ると花の下に緑色の八本足の蜘蛛らしき生物がいた。菜の花の一部になりきっているが、調べて見るとワカバグモという蜘蛛のようだ。この花蜂も餌になってしまったのかな。

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18日:春海辺 ハマナタマメの エンジェルよ

(今日は激しい風雨、先日海までの散歩で出かけた時見かけた花。)

海沿いの歩道は格好の散歩道だ。砂浜では子供達も遊んでいる、家の中よりは安全だろう。道の脇には小さな花が咲いていたし時折ウグイスの声も聞えた。運動不足を少し補うのと気分転換が出来るのが嬉しい。

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▲花ひそか 満天星ツツジの 垣根かな

この時期は散歩の道すがら家々や歩道のそばなどで咲いている花を見つけるのも中々楽しい。満天星、ドウダン⇒トウダイ。ドウダンツツジ、壺状の小さな花、秋は紅葉が綺麗、とのこと。気がつけば近所の垣根にも沢山あった。小さな花は普通のツツジとはちがう静かな印象で愛らしい姿。

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19日:御身拭い 天地に満ちよ 釈迦の加護

(御身拭い)京都嵯峨、清涼寺の釈迦像を4月19日に白布で祓い清める行事。

実際にこの行事は見たことも無く、今年行われるのかもよく知らないしが、今の不安な状況の中で昔の人と同じように、神仏にすがりたい気持ちになってくる。お釈迦様は今の世も見てくれているのだろうか。

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20日千年の 杉はぐくみし 穀雨降る 

(穀雨:春雨が降って百穀を潤す意。24節気のひとつ) 

屋久島の縄文杉は、4000年くらい前から雨に育てられて生き続けている。春の雨を穀雨と呼ぶのは古来より私達の生活に、自然が大きく関わっていたことを感じさせてくれる。でもつい最近、私達は自然を見失いつつある。

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▲もしかして地球の大きさとこの飛行機(黒点)の比較が、人とウイルスの大きさくらいかも?見えない敵は怖い。

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春の一番良い季節が巡ってきているが、世界中がまだ苦しんでいる状況は続いている。

今日、イタリアの悲惨な状況を救うための動画が送られてきた。色々な形で頑張っている人達も紹介されるし、国内では詐欺グループの活動も危惧されている。まずは自分自身を守る活動が大事なんだろうし、他との接触も避けるべきなのだろうが、先行きが見えない不安がのしかかってくる様だ。