つぶやくdorotanuki

小さい穴から見える外界の様、過ぎる時代への雑感をつぶやく

八月:葉月の弐、16日~31日(一茶を読む)

小林一茶:1763年5月5日~1825年11月19日(参照:一茶俳句集、岩波文庫

江戸時代、信濃柏原の雪深い山村の農家に生まれた一茶。三歳で母を亡くし、継母と折り合い悪く十五歳で江戸に出された。二十歳頃から俳諧師を目指すが思うようにいかず、父の死後、相続で義母達との争いを経て五十一歳で郷里に帰り安住、苦労に明け暮れた人生の中で2万句以上を残し、六十五歳で死亡。後に正岡子規により再評価され芭蕉与謝蕪村と並び脚光を浴びる。方言を使ったり飾らない言葉で小さな生き物、命を励ます句などもある。本には2000句を選び掲載とあり、少し読んで先の長さにため息。

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一茶:やれ打な 蝿が手をすり 足をする

竦み立ち 互いに見合う 蜘蛛後架

(トイレに黒い蜘蛛、相手もこちらを見てフリーズ)※後架(トイレ)季語は蜘蛛、蠅も夏の季語

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16:一茶:いざいなん 江戸は凉みも むつかしき(江戸の夢破れ故郷へ戻る時の句。)

蝉時雨 木陰に降りし 故郷の(もう二度と見ることが出来ない桜の大木、岩、故郷)

※写真:宮ヶ瀬林道で見たニホンザル、何かが居る事しか分からず、緊張して撮影。

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17:湧き水は 生きてゐる水 桃洗ふ(大橋佳歩)<みずみずしき桃、湧き水で洗う> 

道の駅 汗吹く額 富士の水(やっと休憩ポイントが見つかり汗を拭き湧水を飲む)

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18:一茶:夏の雲 朝からだるう見えにけり(今朝はだるい、雲をみても気が晴れない)

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スイッチ押す 後ろめたさのエアコンや

8月に入りエアコンから離れられない生活。夜まで掛けて寝るようになった。午前中は換気をしてと思いつつ、やはり冷房28℃にして長いズボンをはいている。一茶の頃はもちろんエアコンなど無く、年をとるとダルさに耐えられない日もあったのかなと同情する。

でも江戸時代は小氷河期だったとの話もあり、エコな暮らしで夏も涼しかったのかも。

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19:一茶:舟引きの 足にからまる 蛍かな(川岸から船を引く仕事。足元の草から蛍が舞い上がる)一茶は江戸での評価は低く、下総上総などの同門や知古を頼り良く出かけた。

神社裏 ほたるの川や 溢れ水(親戚の家裏、夏場は蛍が出る小川も豪雨の爪痕が心配)

※公園のクヌギに取り付けられた、スズメバチ用の罠。この夏も発生が多いのかな?

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20:一茶秋風や 壁のヘマムショ入道(江戸時代の文字で絵を描く遊び)

こんな感じかな? へのへのもへじは覚えているけど、こっちは知らなかった。

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沖縄の舞い立つ風や 夏の空(昔、新聞写真から空想も加え描いた沖縄、勝連城跡での踊りの練習風景。ヘマムショ入道と同レベルの絵だけど、いつか行ってみたい場所。)

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21:一茶うろたへな 寒くなる迚(トテ) 赤蜻蛉(少し寒くなった、吃驚するなよ赤トンボ)

照る陽射し 蜻蛉の背負う 青き筋(この夏の陽射しは強烈だ、何時までも暑い。)

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22一茶せみ鳴くや 梨にかぶせる 紙袋(蝉はまだ鳴いているが、梨の手入れ時期)

レターパック トマトの届く 自粛かな(近所の人や親戚からも野菜を貰う有り難さ。)

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23:一茶:蝉鳴くや 赤い木の葉の はらはらと(赤い葉⇒病葉、早めに散っていく)

山沿いの コスモス想う 夜の秋(※夜の秋:夏の夜に感じるの気配、夏の季語)

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24:一茶:さくさくと 飯くふ上を とぶ蛍(飯が旨い、ほお蛍が飛んでいる)

夏の夜や 硝子の先の世間かな(入院時夕食後、街が夜景になると取残された気分だった。)

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25: 一茶:段々に 夏の夜明けや 人の皃(カオ)※昔の漢字、異体字とあった。

夕焼に 頬染む吾子の ゐで来おり(夕方の空に束の間見えた子供の顔、誰かに似ていた。)

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26:一茶:夏山の 洗ふたやうな 日の出かな(朝の澄んだ空気の中で日の出を見る)

夏の海 流せ浮世の エゴと欲(江戸の世も今も弱い者が悪政に苦しむ姿は同じ様)

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27:一茶:巾着の 殻が流るる 夕涼み(両国、江戸時代の盛り場、巾着切り(スリ)も横行)

両国の川端で夕涼みをしていると、目の前の川を巾着袋がプカプカ流れていた。

この夏や コロナをネタの 詐欺乱世還付金詐欺や高齢者を狙う詐欺は増加、乱世だ)

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28:うつくしや せうじ(障子)の穴の天の川(病に倒れ何とか回復、俳句の考えが変わった句)

その病とは、(ヨウ)悪性の腫れ物とか、(オコリ)マラリアの一種だったなどの記載あり。

葉を落とす キツネノカミソリ見た頃(夏、山道で偶然見た花は彼岸花の仲間だった。)

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この日の午後、安倍総理が一期目と同じ持病再発を理由に辞任表明。一茶は大病を経て身の回りの命に目を向けるような変化が出たが、この国はどんな方向に進み出すか、先行き不安?

29:一茶:焼柱 転げたなりに 秋の風(文化三年、江戸御徒町、4月大火の後遺症あり)

ゴミ箱の 遅く届きし 秋の風(近所のゴミ回収場所が家の前、色々な人が出すゴミで散乱するのでケース状の新しい物を要望しやっと届いた。これで全て解決はしないが一歩前進。

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30:一茶:荻オギの葉に ひらひら残る 暑哉(荻:オギ、ススキに似た植物、湿地に群生)

焦がれ待つ ススキの秋の 涼しみや(写真は仙石原の薄です。なんせこの夏は暑い。)

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31:一茶:石仏 誰が持たせし 艸クサの花(田舎の地蔵さんを思い出す。)

涼めとや エナガ隠して 夏木立(失敗かと思い、拡大しエナガがいるのを確認、良かった。)

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小林一茶は15歳から江戸でのあぶれ者の様な暮らしから、俳諧という目標を見つけ奮闘します。彼が江戸で成功できなかった理由の1つは百姓という身分にあった様です。そこで

江戸よりも近郊の農村地域を主力に活動したり、西国への行脚などへと活動を広げますが

俳諧で一家を構えるまでにはなれず。望郷の念も強まり51歳で何とか郷里に戻ります。

目出度さも ちう位也おらが春(文政二年、57歳)ちう位=方言、あやふや、いい加減

家族もでき一見平穏だが、生活実体は楽では無く不安な状態を詠んだ新年の句。

参照河北新報 2020年8月26日、コラム河北春秋

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今回、小林一茶を学び、江戸時代を一寸だけ身近に感じました。江戸時代からの身分制度の意識は今も日本人の根底に残っている気がします。現在の利益、効率優先の新自由主義経済で国策として増大した非正規雇用。この結果、正規雇用と非正規で貧富の差が広がり、次世代へも継承され、結果として弱者が固定されていく。これは実質、身分制度に他ならないのでは?と言う極論、想いに行き着きます。貧しさは自己責任にされて、一度落ちこぼれたら這い上がれない、そんな世界です。トリクルダウンなど起こりえません。

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時代はもしかして明治に戻りその後、江戸時代になるのでしょうか??お上には一切モノが言えず逆らえば罪になる、今でも現実にこの地球上にそんな体制の国がいくつかあるけど、日本もそこを目指しているのでしょうか。某大国の指導者を決める選挙がもうすぐ始まります。大魔王のような現職は実は志を持って政治家になったのでは無く、名を上げたい、歴史に名を刻みたいと言う一念しか根底には無いようです。この国の元リーダーもどうやら同じで、だから仲良しだったのか?!それをレガシイを残すとかカタカナ言葉でまっとうな事のように喧伝するのは間違いです。

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残念ながら今、権力の座にいる面々は政治を商売のように捉える政治屋であり、国を良くしたいという志を持ち国民の声を聞く政治家では無いようです。自分たちの仲間を守ることにはたけているが国民を守る意思はありません。自分の一言で自死した人のことは意にも介しません。なぜなら直接手を汚さないことで自分の責任という感覚は一切無く、責任は全て下位に行く、上意下達の江戸幕府、明治政府と同じだからです。国民主権など存在しません。今、本当に試されているのは私達自身がどんな政治が行われてきたかをそれぞれに総括し、これからどんな政治を望むのかを明確にして行く事では無いでしょうか。

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今は無自覚に流されてはいけないと思います。自分自身でどういう世の中を望むのか悩む時であり、唯一の表現としての選挙で誰を選ぶか真剣に決めるときだとも思います。

今回のコロナウイルスは、誰しも罹患するし特効薬はないという平等な恐怖に直面しています。この恐怖に勝つために他の国々で行っている、検査し分類し管理、保護する策を何故この国は採れないのか、事実を直視する勇気も知恵も度胸も無いと言うことです。まあそのうちなんとかなる、という対応にしか見えません。これは恐怖です。為政者に対する自分たちの意思をきちんと表現していくことが、とても大事な時代だと思います。

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