つぶやくdorotanuki

小さい穴から見える外界の様、過ぎる時代への雑感をつぶやく

十二月、師走の1

12月14日、今年の漢字が「密」に決まった。今年は新型コロナウイルスの感染で世界中が大変な状況になった。まだ当面はパンデミックの大渦の中で世界中が苦しみもがいていくことになるのだろう。一粒の細胞のような自分たちも、大きな渦に巻き込まれて生きるしかない。そんな中、ガースーです!とおどけたつもりのリーダーにはあきれ果ててしまう。

12月1日:手の中のスマホもカバーも師走顔

古い物は下取りに出し、すっかりここにある新携帯、今まで困っていた電池が無くなる表示と、真っ黒い画面の頻発が解消できた。もう年末だ。近所の紅い薔薇一輪を撮影してみる。

冬薔薇ひとつ咲いたり曲がり角(ふゆそうび、一輪だけ色濃く、少し淋しげに咲いていた。)

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12月2日:儚きは山茶花の頃死ぬトンボ

朝、干し柿にトンボが止まり動かない、暖房の部屋に連れて行くと羽ばたきだした。寿命が近いのかな?心なし赤い色がくすんでいる。ここまで生きてきた事を褒めなきゃあ、しばらく羽ばたいた後やっと飛び立ちガラス戸の向こうに姿を消していった。

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12月3日:薄日さす背骨はたわみ手指冴ゆ (知らぬ間に縮こまる、今日はこんな冬日だ)

時折薄日が差す、気づかないうちに背を丸めて手足の先が冷えてくる。普通と言えば普通の日。何かやるべきことを忘れているような不安と焦燥に駆られる。最近植え替えたパンジー

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12月4日:冬の朝 期限の過ぎた保険証

眼科検診の前日に健保から保険証が変わり送付したが、不在で返却されたとの連絡あり。一旦、全額支払いになる。連絡があったので支払いの準備はしたが、昨日の胸騒ぎはこれか!半年前の予約でキャンセルはし難い、行くしか無かった。受診料100%はやはり高額、差替え保険証が来たら窓口で差額精算できるとの事。

気にしていた診察内容は現状維持、コロナが落ち着くまではと、また半年後を予約。

お猿のようなパンジーが並んでクスクス笑っていた。

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12月5日: 朝、気づくと雨の音、最後の干し柿は中に入れてあったので一安心、切り干し大根は外で濡れていた、冷たい雨が静かに降り続く。干し柿は外側に粉を吹き始めた。

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戦場に埋もれ息づくサヘルローズ(イランイラク戦争、砂に埋もれた手がつないだ人生。)

偶々見たTV、サヘルローズという女優のドキュメンタリー。その壮絶さに言葉を無くした。TVで見る独特の言い回しに外人のお笑い?と思っていたが、実は波乱の人生を送っていた。

イランイラク戦争の爆撃で、埋もれた小さな手を見つけた女性救助者、後の養母に救われる。イランの裕福な家庭の養母は、彼女を救う事で親に絶縁され、やむなく当時の恋人を頼り日本にやって来る。だが日本での生活は厳しく恋人の暴力もあり別れ、さらに困窮を極める。

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親子で公園のトイレで寝泊まりしたこともあった。学校の給食の小母さんが自宅に同居させてくれ、母の仕事も見つけ何とか生活を繋ぐ。サヘルも小中学校では酷いいじめに遭う。高校で理解してくれる先生達と出会い、芸能活動を始め女優の地位を築いていく。彼女は今、国内や海外の子供を支援する活動を行っている。サヘル=砂、ローズ=薔薇。この名前は養母が付けてくれたらしい。1993年8歳で来日、当時どん底の彼女らを救う余力が日本にはあった、でも今は難しいのではと彼女がテレビで語っていたのも印象的だった。

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12月6日:木枯らしの導き出会うシリアびと

日本女性で初めてK2登頂を果たし、写真家としてシリアの人を撮り続けている小松由佳氏の写真を見てきた。現地に住んで撮った写真は、内乱が続くシリアの人々の魅力的な素顔が写っていた。今は、シリア難民の夫と日本で暮らしている。イランもシリアもイスラム教の国、コーランを唯一の支えで生きるサヘルの義母や、同胞に銃を向けることを拒み、政治犯となり逃亡するシリアの人も、コーランの教えに基づき生きているのだろう。

仏教もイスラム教もキリスト教も苦しむ人を救う、他を殺せという教えは何処にも無い。

だけど今も世界中に戦いは絶えない。珍しく考え込んだら頭が痛くなってきた。

(写)2017年冬、長野県松本への撮影行、夜景を撮る。

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12月7日:車検の見積もり

もう9年を過ぎる車の車検が近づいた、もし可能なら災害時の電源も兼ねる電気自動車とかに買い換えなども夢想するが、現実に目覚めると現状維持で精一杯。財政はいつも冬。

※クリスマスツリーの日1886年、横浜明治屋で日本初のクリスマスツリーを飾る。

そうだ!サンタさんに頼んで見よう、きっと上手くいくと思う。

冬鉄路 疾走する朝ヘルメツト(写:駅に向かう貨物列車、先端にヘルメット姿の人あり)

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12月8日:針供養。太平洋戦争開戦記念日真珠湾の奇襲攻撃。

与謝蕪村の本を買った。江戸時代の画家で俳人芭蕉や一茶は何となくイメージがあったが蕪村はどんな人か殆ど知らない。でも「春の海ひねもすのたりのたりかな」は知っていた。

時の流れを詠む句が多いらしい、浅学にてそれが何かはまだ分からないけど、春の海の句も終日(ひねもす)の時間を表現している、と言うようなことかな。芭蕉は修行僧のように俳句に打ち込み、一茶は生活の苦しさ楽しさ全てを俳句にした。彼等は明治に正岡子規により発掘され再評価、蕪村は萩原朔太郎夏目漱石にも影響を与えたらしい。

諏訪湖越え遠見の富士や冬暮れて

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12月9日漱石忌(1916年、大正5年夏目漱石の忌日)

障害者の日、1981年に総理府(今の内閣府)主催で制定。厚労省が実施。目の不自由な人が駅のホームで転落死のニュースなど、悲しい結果の前には、障害者の日もむなしく響く。

国際腐敗防止デー、2003年制定、贈収賄、横領などの汚職、腐敗行為の防止の日。

今の政治は腐敗しまくっているようだけど?あっ!国際だから日本は関係ないのか??

両方ともブラックユーモアのよう。いっそ、ブラックユーモアの日ではどうだろうか。

冬の朝富士のお山は頬そめて(2017年の富士)

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12月10日冬陽射し皇帝ダリア雀とび(近づくと、雀が飛び立ち花の枝に止まった。)

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年末の旅行キャンセルGoToコロナ

先日、家族で熱海に行こうと盛り上がり、迷いながらも年末前に一泊の温泉旅行を計画。

ネット予約をしたらそのままGoToキャンペーンで何と35%引きになった。いつもこの政策にブツブツ泡吹いていた身だが、実際の割引金額にそりゃあ皆惹かれるな、と実感した。

その後、感染が急拡大し流石にマスコミも真剣な報道が目立ち、自分の事としてもう一回話し合いキャンセルした。幸いキャンセル料が掛かる少し前に決め、追加の出費は無かった。

目の前の病院の状態や感染拡大に対する国の策が何も無い今は、自衛するしか無い。

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労災や残業を超え暮れボーナス(家族が働く職場、コロナ禍の厳しい中で人を守っている)

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12月11日:マスク越し翼を下さい口遊む(マスクして歌を口ずさむ、帰りは風が冷たい)

感染拡大の四要素、人口密度、気温、社会的責任(マスク手洗い)、移動、それでも政権はGoToから離れないから医療崩壊が始まっている。命を預けられない政治が続いている。

地震保険の継続案内が来た。5年単位でしかも金額が上がっている、確かに地震が来て被害に会ったら、大変な費用が必要だが掛け金が上がっていくのは正直きつい。補償額は少なくなり割に合わず解約を、と思い代理店に電話。気配を察したのか折り返しの連絡が中々来ない。その後、電話で話すと国策で始まった地震保険は融通がきかない、とこぼしていた。

期限まで放置すれば自然に解約になるとのこと。大きな地震が来ないことを祈ろう。

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冬曇マダラぼけかと足停まり

悪玉コレステロールの値が少し高い、甲状腺のホルモン薬を常用している。甲状腺ホルモンは脂質の分解も助けるらしいので、これが弱いと脳の毛細血管なども詰まりやすく、記憶の分野が詰まると物忘れがでる要因となり得るらしい。色々な話を読み聞きするが、すでに脳に小さい影がポツポツある身では仕方ないと諦めるしかないのであった。チビまる子ちゃんのナレーターがもうすぐ止めるらしい。次回へと続かなくなるのかな、淋しいかも。

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12月12日:木枯らしや人は行き交い日は落ちる

色々な人が色々な世界の中で交差していき、一日が終わる。そんな日の積み重ねが一年となる。江戸時代に同じ様に感じ、絵や俳句で独自の世界観を表現した蕪村。ただ江戸時代の表現は今以上に?漢詩や和歌の知識も必要で、ほぼ興味も知識も無い自分は解説を読んでも理解できず、展開する世界観を上手く実感できずにいる。

しらじらと白々と雪の朝(写)2017年に長野、松本から麓の夜明けを撮影、

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12月13日:吾乗せし鍬引く牛の初夢や(昔、牛も農作業を担う大事な家族だった。)

年賀状を作り始めている。ほぼ毎年、下手くそなイラストを描いていた。今回は干支の牛にちなみ、子供の頃田圃を起こす作業で、牛に引かせる鍬(櫛歯の様な刃で土を起こす農具?)に重し代わりで父に乗せられた、かすかな記憶を元に描いてみた。農具は違う物かも知れない。結局違うイラストを使う事にしたが、記憶はこんな景色だったかな?

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12月14日:故郷のカレンダーと餅宅急便

田舎の兄からカレンダーと丸餅が届いた。兄が住む町の役場から地元のピーアールも兼ね、ふるさと納税のパンフレットも同梱されていた。ふるさと納税は未だやったことがないが、活用状況に給食費の無償化や小学校へのタブレット導入などと記載があった。小さな地方の町、税収は大都市などには遠く及ばない。しかし金額に見合わない返礼品が高額所得者に有利だとして批判もある。税金の使い方では、今回のコロナ禍も保健所や公立病院などの公共の感染防止機関に投入されるべき税金がカットされ続け、縮小された経緯があるそうだ。自衛隊が出れば安心だと思った北海道の看護師応援、とても必要数に足りないのも医療全般に金を掛けなかった報いのよう。だから未だGoToに執着するのは理解できない。やっと、年末年始の停止は発表したが、遅すぎる。なぜ、一斉に停止しないのだろうか?

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12月15日:短日の薄赤きそら峠道(2017年、この峠道の駐車スペースで車中泊、震えた)

やはり12月で後半にさしかかり、冷えて来た。なるべく着込んで過ごしているが、それでなくても籠もり気味の性格に、まだ先が見えない新型コロナウイルス感染症で体も心も冷え切ってしまう。そのうち来るだろう?ワクチンは—70℃で保存らしいから、そんなモン注射したら、途端にカチンコチンに凍ってしまうのではないかと言う恐怖感がある。長野での車中泊も寒かったが今は我慢して、希望の日を夢見るしかないのか。おお、寒い寒い。

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※でもブツブツ泡を吹いていても、自分は世界を救うことなど出来ないし、だからやっぱりまず自分を守るしかない。なるべく感染しないよう、臆病な今の暮らしをコツコツ続けていくしかない。今年もあと僅か、これは後半へと続くカナ。