つぶやくdorotanuki

小さい穴から見える外界の様、過ぎる時代への雑感をつぶやく

2023年2月(令和五年二月)

二月 冬:11月の立冬から2月4日立春の前日まで 立春から5/6の立夏まで

白梅や奈良の都の青き空 万葉集では萩に次いで中国原産の梅が多く取り上げられた。

2月に思う:一年前、2022年2月24日にロシアがウクライナに侵略を開始。当初、短期間で占領を終え傀儡政権が出来るというプーチンの思惑は大きく狂い、一進一退の泥沼のような戦況が続く。ウクライナの人々は一方的に大きな犠牲を強いられ国土も荒廃して行く。世界全体もこの戦争をひとつの契機に、対立を深めている。日本ではこの戦争を「奇貨」として与党の強引な手法で念願の戦時国家にドンドンとシフトしている、まだ冬のような春。

2月3日(金)節分 切る幅の徐々に広がり恵方巻 恵方巻を食べました。

海苔巻きを切る包丁の刃面、米の澱粉で段々切れにくくなる。(追記):26日の新聞記事恵方巻140万本が売れ残り仕掛品として食品ロスになる。ゆで卵、焼きたてパンやカット野菜なども500L以上!生ゴミで処理!我家は全部食べたが。何とか出来ないのかな?

節分のリンパ体操冬終い 金曜日はリンパの体操の日。まだまだ寒いけど冬は終わる。

2月4日(土)立春 旧暦の正月

立春の朝の目薬 蓋は赤 朝は二種、昼一種、夜三種類の点眼薬、つい忘れがち、蓋が目印。

春立ちぬ月満ちるまであと二夜 満月は2月6日らしい。でも4日も、ほぼまん丸の月夜。⇩

2月6日(月)彼の地では雪原の春スノームーン 午後三時の満月は見えない。この時期、昔の北アメリカでは雪原の満月Snow moonを見たらしい?この週後半は関東に雪の予報。

2月9日(木)凍て空に舌を突き出す舌火傷 寒いのでお湯をグビッと飲んだら‥アチチ!

2月13日(月)花蕾二月の雨と遅き昼 月曜日は買ったパンで昼ご飯。雨はまだ降っている。

雨上がり早咲きの花光る辻> いくら何でも早すぎるけど、曲がり角に輝いていた桜色。

2月14日(火) 胡麻流れ 砂漠の春の大地震 胡麻をサラサラ補充する音に砂漠を連想。

トルコ、シリア大地震:日々、大地震による死者の数が増えていく。2月6日(月)現地6日未明にM7.8の大地震発生、9時間後M7.5が発生。250kmの活断層が次々と破壊するという地震、東アナトリア断層とそこから伸びる別の断層で起きたとのこと。この規模の地震はおそらく歴史上最大と新聞記事にあった。日本にも長い断層はあり今後、日本でも起こりうる事だとか。日本列島そのものが過去の断層の動きにより構成され、地震も多い国なので不安は増す。地球規模で、地殻変動の時期が巡ってきたのだろうか。

トルコ、シリアの死者数は15日に3.5万人を越え更に増えていく予想をされている。両国で2400万人以上が支援を待つ状態で、特にシリアは反政府勢力の支配地区と言う事で、内戦状態、このためまともな支援は受けられていないようだ。戦乱に加えての大地震!!

戦争状態」が如何に普通の人間にとり不利益な状態か、この大地震、自然災害の元では特にハッキリと表れる。助かる命も助からなくなる。なのに日本の政治は、他国の戦争をネタに戦時体制へシフトする宣言。安保三文書を閣議決定、これは憲法九条の死を意味すると元内閣法制局長官で弁護士の坂田氏が雑誌で述べた。もし戦争に突入したら攻撃目標となる原発は再稼働。本当の国防を考えない政府の独断は恐怖でしかない。今の日本は「民主主義国家」?政治家の無責任な言動、答弁に怒りと不安が増す。

2月15日(水)春冷えや気球見上げし衆愚の議 中国、米国に日本も混じる非難の応酬。二年前は無視だった日本政府、今は最重要?米国の動きで決まってくる政治決断なんだな。

世界の子供達に危機!

2月16日(木)トルコ、シリア地震で子供700万人超が被災し、ウクライナのロシア占領地では子供6000人以上をロシアが連れ去り自国に都合良い教育を行っている。なんとウクライナと戦う戦士にするとか、絶句。子供達は肉体的にも精神的にも大きな傷を負っている。

2月23日(木)このところ各TV局で一年になるウクライナ紛争で現地に行き色々な実状レポートを目にする。やはり現地からの普通の人々の姿や、戦禍の様相を見ると一方的な攻撃に晒されるウクライナの人々が可愛そうになる。何故止められないのか、気持ちが沈む。

このウクライナ戦争の一年を総括した、寺島実朗さんの記事を読む。

ロシアの現状プーチンの思想は昔の「力こそ正義」という古い世界観に染まっている。求めている国家像は旧ソ連では無くロシア帝国への回帰。KGB出身だが社会主義共産主義には何の思いも持っていない。思想的にはロシア正教と結びついた国粋主義プーチンの思想で、最近行った戦死者の親達の集まりでも「国家のために死ぬことは名誉なこと」とまるで戦前の日本、天皇陛下万歳で死んでいった時代を思わせる言葉を発しています。強引な手法で戦争を始め、欧米の支援を受けたウクライナと一進一退で多くの戦死者を出しながら、国内の批判を押さえつけています。

米欧、日本の立場:第一次、第二次の世界大戦を経て欧米が提唱した領土不拡大の精神などを元に国際連合国際連盟が設立されました。しかし国連主義の実態は米国中心の世界秩序だった。その米国が世界を纏める力を失いつつあるのが最近の状況。

中国の立場:また、中国は急速な経済発展を実現したが習近平体制の強権化に、世界中の華僑ネットワークが距離を置き始めたとも書いています。今後は中国の成長は減速し不安定感を増す予想です。世界をリードした米国、ロシアそして中国にも世界を束ねるリーダーとしての理念、構想力は無いと言い切ります。超大国の「力こそ正義」の論理は破綻している。

それじゃあどうなるの?と聞きたくなります。その答えが「グローバルサウス(途上国、新興国)」だそうです。アフリカ、中南米、アジア、中東の国々が台頭してくる。これらの国々は、例えばロシアのウクライナ侵略は厳しく批判しますが、制裁で締め上げるのには慎重。これは世界を二分してはいけない、というメッセージだと。

しかし日本の政権は米国と中国の対立、そして台湾有事の敵基地攻撃等を理由に、軍事費増強に走っています。でも台湾に米軍基地はありません。もし中国に対し敵基地攻撃をするなら当然、米軍は沖縄の基地を拠点に攻撃をします。反撃を喰らうのは沖縄の米軍基地、日本の国土です。米国に従順な日本は本当の意味で国、国民を守る策は持っていません。

寺島さんは日本もイスラエルのような「厄介な同盟国」になるべきだと提唱します。この地域で戦争を起こさせないためには、米国に従順ではなく厄介な同盟国になる事が戦争を防ぐ戦略だと。グローバルサウスの世界を二分するな!と言う意見は日本の対米政策でも考えるべき外交だと説きます。「戦争放棄」の憲法遵守がひとつの具体的な力でしたが。

東京新聞:侵攻一年に22年間のプーチン主義の総決算、と書いています。プーチンにより国民にすり込まれた「悪の根源は西欧のリベラリズム」と言う思想が今のロシアを下支え、もしプーチンが退場しても根本的な解決にはならない、とあります。と言う事はこのロシアとウクライナの戦争は、完全にロシアが敗北するまで終わらないという事だろうか。

今の日本政治は敗戦以来の、アメリカ政治に忠誠を尽くす事に終始している感じです。第二次大戦、米軍の原爆投下で敗北し平和国家として再スタートを切ったこの国。戦争放棄恒久平和の誓いには多くの犠牲が払われました。戦争を知らずに育った自分たちが希少生物にならないよう、今こそ歴史を振り返り敗戦直後の気持ちも考える時かも知れません。

戦争放棄の平和主義を力強く訴える日本の国際戦略を表明して欲しい、と思います。

食料の自給率

2月の「読書感想文」鈴木宣弘著「世界で最初に飢えるのは日本」食料安全保障について。

2020年からのロシア-ウクライナ戦争で世界の穀倉地帯からの小麦が滞る自体が発生しました。安全保障とは武力で国を守る事だけではなく私たちが生きるための食料を、国としてどう保障するかの問題ですが、第二次世界大戦での敗戦以降、保守政治は日本の伝統的食糧の自給率を軽視してきました。

最近、鶏卵が手に入りにくくなり値段も上がるダブルパンチ。要因は鳥インフルでの大量殺処分、コロナ対応で餌や「生産資材」が日本に入らなくなった影響が大きいらしい。「資材」とは肥料、種、ヒナ、農機具などの生産に必要な物全て、なので輸入頼みが影響を受けた。

またコロナ対応での「技能実習生」という名の働き手が来られなくなったことも大きな要因となった。農業への取り組みを軽視し続けた国の施策がしっぺ返しを受けている。

今回のコロナ感染とウクライナ戦争は、日本農業が抱える歪みが有事には大きな問題となることを明らかにした。気候変動による魚介類の減少や、この他にも牛乳の廃棄、野菜の高騰なども日々の暮らしを襲う不安定要素となっている。また野菜のタネは9割を輸入に頼り、種の生産も海外任せ。だから野菜の自給率80%と言っても種を考えた真の自給率は「8%!」にすぎないらしい。

「食」は安全保障の基礎:欧米では食料に関する自給率確保は当然の政治課題と位置づけられているが、日本政府はTPP等の貿易自由化のための「生け贄」として「農業」を相手国に差し出す扱いを行い続けている。自動車などの産業は関税が下がり利益を享受しているが、国内農業は疲弊し続けている。温暖な気候の中で多種多様な生産を行ってきた日本の農業は、現在その衰退が著しい。

これは政治の目線が工業生産にばかり奪われ、人間の生命に関わる農業を「生産性が低い」として軽視してきたツケ。農業軽視の政治の方向性は第二次安倍政権で決定的にゆがめられた。もう食料は金で買える時代は終わった。日本は危機的状況にある。

以前自民党の票田は農家だった、農業政策にも一定の歯止めをかけていたが、農業の縮小や自動車などの産業拡大で政治家、政策が農業から離れていった。その背景にはアメリカの意向が働いていた。日本の政治家はアメリカの意向に逆らわない、もし逆らえば政治生命だけで無く自分の生命も危うい?!と元農林水産省勤務の著者は書きます。ほんまかいな??

現代農業を考える上で江戸時代の生活と農業事情を検証している。300年弱の鎖国政策は食料を100%自給できていたから成り立っていた。江戸時代には物資、エネルギーほぼ全てを、再生可能な植物エネルギーで賄っていた。植物は太陽エネルギー、CO2や土、水で成長。江戸時代の日本は太陽エネルギーに支えられていた!究極のエコが確立していたのだ!

これは今、そしてこれから来るかも知れない「戦争などでの飢餓」を思えば重要な備えになるかもしれない。さらに農地を汚染する化学肥料、昆虫など野生生物を絶滅させる化学薬品で国土汚染は壊滅的な状況になってきている。有機肥料、堆肥などの活用促進が望まれる。

現在、江戸時代の日本には戻れないがコメ中心の和食にするだけでも、自給率63%迄戻るという試算もある。それにしても、明治以降の文明開花はこの国に何をもたらしたのか?本当の伝統、江戸時代までの知恵が伝統が消されたのでは無いのかな?などと勝手に思ってしまう。政治を家業の様に継承し現場を知らない政治家が増えた現状、私達の大きな不幸。

そんな中、全国の市区町村で給食用の食材を有機農法で作り供給する取り組みが広がりを見せているそうです。自治体が買い取りや財政支援をする仕組み。子供達の未来を応援する素晴らしい取り組みだと思いました。国にも軍拡では無くこんな政策を望みたいです。

統一教会問題もガーシー問題も何一つ納得いく解決が出来ない国、ルフィもいたか!

日本はこれから春本番でコロナも終わったことになりそうだし、浮かれた楽しい季節が‥来れば良いけど。出来る範囲で自分自身を守っていくしか無いのでしょうね。