つぶやくdorotanuki

小さい穴から見える外界の様、過ぎる時代への雑感をつぶやく

2021年3月、弥生:後半

最近、呪術廻戦というコミックを読み出しました。家族が買ってくるので見始めましたが、大流行した鬼滅の刃と同じく人気が有るようです。具現化した人の呪い、それと対抗する呪術師の戦い、正直鬼滅に似た感じも有るけど、感染の不安感もこんなオドロオドロしたファンタジーを求める要因かな?と思いました。アラレちゃんからドラゴンボール、ワンピースになり、その後に鬼滅の刃、そして呪術廻戦。時代が変わっても、何かに縋りたい気持ちは変わらない感じです。

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16日:異界からスマホ連れ出す目借時

横になり漫画を読みながらいつの間にかウトウトしていたら、大きな音で鳴りだす携帯電話。

呪いの世界に入り込むうちに、寝ていたようで突然の呼び出し音にビックリ。暫く呆然とし現実に戻れない。漫画の世界に入り込むのを最初に感じたのは、水木しげるさんの河童の三平、第一話で三平が丸い石柱の上を飛んで河童から逃げていく、柱がだんだん高くなり最後は水中の河童の国に落ちてしまうシーン、妙に説得力があり、読んでいて異界への恐怖、そして恍惚感を覚えた。

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17日:紅き薔薇白かすみ草 彼岸入り(花屋に勧めたられた紅い薔薇、綺麗で香りも強い)

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実は中学の頃、漫画家になりたいと思っていた。石森章太郎氏の漫画家入門と言う本を買って、細々とペン先なども揃えケント紙も買いマンガを書いていた。近くに一緒にやる仲間が居たらもっとハマったかも知れないが、雑誌の文通でなぜか東北の人と漫画を作って送ったりしただけで、結局続かなかった。学校では書道の授業中などにも漫画を書いていた。猫を書いていたら優しい先生が、面白いと褒めてくれたから調子に乗ってチョクチョク落書きをしていた。

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18日:北条のもののふ想う春の空(桜はまだの小田原城に行ってきた。昔の空間を疑似体感)

お城には入れないが、天守閣前の広場に昔を偲ぶ。人もまだ少なく、何も無い良さを感じた。

北条早雲という戦国武将から約100年、秀吉に滅ぼされるまで小田原城は北条氏の居城だった。江戸時代は徳川幕府を守る関東の要としての役目を負っていたそうです。本来の城郭は関東大震災で全壊しましたが、戦後にかけ復興され現在は桜の名所としても知られています。

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19日: 黄沙ありフロントガラス残る筋

花粉と黄沙も混じるのか、いつも以上に粘り着く感じの埃がフロントガラスに積もっている。この黄沙、他には黄砂胡沙:こさ、などの漢字があり、読み方が難しい霾(つちふる/ばい)という漢字もあった。昔から知られていたようで、モンゴルで発生し中国北部を経由し飛来する黄砂は春の季語。今年3月中旬の黄砂、中国北京では過去十年間で最悪の状況だとか。コロナへの影響は無さそうだがPM2.5はコロナを悪化させるのではとのネット記事もあり、真偽は不明。

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ぼた餅や小豆モチ米心和え(春は牡丹餅、米と小豆をあわせ、先祖を想う餅を食べる。)

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20日春分の日過ぎさりし甘辛き日々想う春

区切りの日に珍しく外食、選んだ料理の辛さと甘味、過ごした日々と同じかも、などと勝手な想いに浸ったりしてみる。近所のミモザは散り、風の強い日も多い為か家の人が掃除をしていた。

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道すがら牡丹切花中日に(先日行った道路沿いに生けてあった、大きな牡丹の切り花)

春分の日は太陽が真東から上がり真西に落ちる、昼と夜の長さが同じ中日。通常、彼岸とは春彼岸を指し秋は秋彼岸と言うようです。ここからは昼が長くなる分岐点。春本番スタートかな。

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20日午後6時9分頃、宮城県で震度5強の地震震災から10年、まだ余震が続きそう。

1995年3月20日地下鉄サリン事件。26年目となる無差別テロ事件。三月は重大事件が多い。

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21日:春嵐 花林糖減る日曜日 (窓の外は激しい雨と風、今日解除されてもどこにも行けない)

1945年3月10日は東京大空襲の日、一夜で約10万人が亡くなった、この空襲は戦争中という状況での無差別殺人。なのにこの空襲で亡くなった人の遺族には何の補償も無く、亡くなった人達の氏名の記録も無い。戦前の法律で「逃げずに火を消せ」と命じられ、亡くなった人も多数なのに元軍人への補償と比べて酷すぎる。現在のコロナ対応の施策も納得できる物が無く、戦前のお上による統治「国威発揚と経済優先」と同じ様に見えてくる。小さな記事に、そんなことを想いながら花林糖をつまんでいたら、袋が空になっていた。

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22日:忘れなそ花壇の隅のフリージア

去年、花壇に咲き誇っていたフリージアがやっと一本、花をつけ始めていた。生きていたんだ。

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久しぶりに旅行パンフが送られてきた。少し驚いたのは「GoToトラベル再開時のあとから割引適用」という文字が印刷されていたこと。昨日で解除の政府発表に合わせたバッチリなタイミング。これは新たな感染拡大も意に介さない、と思われても仕方が無いのでは?と心配になる。

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花曇りソメイヨシノの咲き始め

桜には本当に多くの種類があり、日本では約200種の桜があるそうです。その80%がソメイヨシノだとされています。挿し木などのクローンで育つ為、開花時期がほぼ同じだとか。満開情報が東京と福岡で出されたようです。東京の早さに驚きましたが、TVの上野公園は満開でした。

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23日:春の宵大物釣りのクレーンかな(近所のマンション現場、大型クレーンが機材を運ぶ)

自転車預かりの古家や、昔からの家々が取り壊された跡に、この空に壁が立ち塞がるのだろう。

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メダカが絶滅危惧種になった理由は、農地と排水設備の無駄が排除された為、と言っていた。メダカは浅い水の穏やかな流れで、端っこにある一見無駄な水場に生きてきたので、人間にとって合理的な造り、無駄が無い場所だと生息環境が無くなるらしい。ヒトが長い時間をかけて自然と融和し創った環境では元気良く生きていたのに。子供の時見ていた、水を張った田圃にはオタマジャクシやミズスマシ、メダカ、タガメなど小さな生き物が沢山生きていた。人間は効率を優先するつもりで自然のバランスを壊し続けて来た。いつの日かそれは人間自身に跳ね返ってくる。将来はこの星を捨てて、火星にでも移住する気か?

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24日:断捨離の家具寂しげに春の暮れ

古風な家の前、このところ続けて古いソファーや机が玄関前に置いてある。断捨離は良く聞くようになった言葉だが、物への執着を捨てる、と言われても中々実践できない。以前、古い本を整理しそれこそ二束三文で処分したが、その後調べ物をするのにその本が必要になり、もう二度と入手できない事を知った。記憶が消えていく事の多い今は、なるべく残したい気持ちが優先する。

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25日:むなさわぎ赤く落ち行く春の日や

別段何もなかった日なのに、夕焼け空の下を歩いていると胸騒ぎがしてくる。そういえば去年コロナの不安が増してきた三月にもこんな赤い空を見たような記憶がある。今年も消えない不安。

赤い雲の筋は、天の警告だろうか、備えよ、備えよの声が聞こえてくるようだ。

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先日、小田原で通りがかり気になって入った、歴史がありそうな料理店。店の名前が読めなかったが「だるま」と言う名前だった。ここは創業が明治で関東大震災により被害を受け、地元の網元で財を成した店主、達磨氏が贅を尽くして再建、後に有形文化財に登録されたらしい。

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巻き寿司を注文し、その大きさに驚いたが、実は天丼が有名のよう。相模湾の漁業は北条早雲の頃から発達し、豊富な魚類を基にした蒲鉾も有名になっていきました。これは冷蔵庫などなかった当時、箱根等の山間地に対する魚肉提供の役割もあったようです。料理店の前にあった大きな像、店名にちなみ達磨さん、よく見ると(たまたま)座った人を拝んでいる?

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1814年(文化十一年)創業の小田原のかまぼこ屋さん本店。こちらも地味だが落ち着いた建物。

近所のスーパーで見かけなくなった蒲鉾を買って帰る。支店は小田原駅周辺に数か所あった。

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26日:朝五時の静寂を破る猫の恋  ※静寂(シジマ)

以前は見かけた野良猫の姿をほとんど見ない。今は猫を飼うのは家の中で、外に出さないようにすることが多い為か。人の世界で生きてきた猫や犬たちにも今の生活様式の変化は影響をしているようです。今朝早く、珍しく春独特の猫の声が聞こえたが、あまり長くは続かなかった。

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春暮れるドバイのごとき月の出て まだまだ夕暮れは風も冷たく感じる、早く帰ろう。

夕暮れ時のモール駐車場の上に月が出ていた。無機質なビル壁が砂漠を連想させる。

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27日:こてふ舞い玄関先に春招来

小鳥のように声はしないが、近づいたらひらりと花から飛び立つ小さい蝶。でも、すぐに逃げていくわけでもなく、舞うように飛びながらこちらを見ている。暖かい光の中、ああ春が来たんだなあと思わせてくれる。

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28日:満開の感染防止花曇り

給料日後の日曜日、花は満開で沢山の人が街に出ていた。多分、この雨模様の曇り空に散っていくだろうから出たい気持ちはよくわかる。でも天気が悪い分、控えた人達もいるのだろうと思う。

中途半端で毒のある「マンボウ」より荒れた天気のほうがコロナの抑止力は高いかもしれない。

保障は小さく従わない者は法律で縛る「毒」を為政者に持たせたマンボウ。魚が怒るぞ!

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二年目の春バス停やマスク列

バス停に並ぶ人達、老若男女みなマスク、二年目の春になったことを思った。一向に先が見えてこず、変異種が急激に広がっている事実は忘れたいが事実。医療関係の充実でも実現していれば気持ちも少しは落ち着くが、またぞろGoToだとか言っている政府。デジャブ~の世界だ。

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29日:春暁に夜来の雨や葉の雫

朝、前夜の雨はあがっていた。周りの木々や花壇の草花は水滴を受け爽やかな姿を見せている。

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今日はまさに初夏のような温かさだった。気になっていた黄沙が明日は関東にも広がってくるという天気予報。九州や西日本は、今日すでに黄沙に包まれていた。夜は筍ご飯、大きなタケノコが売られていたそうだ。筍は初夏の季語らしいが、タケノコご飯は春の味がした。

先取の筍食す春の宵

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30日:江の島も霞て浮かぶ黄沙の日

この日も暖かい、10年ぶりに関東に黄砂が降った。車で通った海沿いの道から見る景色も霞のようにぼやけていた。キリとモヤは空気中の水蒸気が作るが、カスミは微細なゴミ等も含み気象用語では無いらしい。俳句は霞:カスミが春の季語、霧:キリは秋の季語らしい。なぜだろう?

昔から黄沙は知られていて、春はゴミも混じると理解されていたのかな?

散る桜巻き上げ駆ける少女かな(友達とバイバイした後、元気に坂を駆け降りる小学生)

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31日:弥生尽、春の尽きる日   変異種の脅威四波の弥生尽

どう見ても新型コロナウイルスは変異主と呼ばれるタイプに入れ替わり、日本人が頑張ってきた対応をあざ笑っているかのようだ。ワクチンは予想どうり変異コロナを防ぐ実際の防御には成らないようだ。集団免疫と言っていたが、そもそも数量がなくて必要な今に間に合わない。

残念ながらもっとも単純な「行動を減らす」が私たちの取れる最善の策のようだ。我が家では小さな改善?パルスオキシメーターがどうやら電源の立ち上げ順序で、なんとか使えそうな事が分かった。表示が信頼できない部分は変わらないが、一応気休めには使えそう、値段なりになった。捨てなくてよかった、…だから断捨離ができない。※もう一本フリージアが開きかけました。

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桜は散って、これからは色々な花々が賑わう時期がやってきます。ついでに新型コロナウイルスも変異種にバージョンアップするけど。でも例えば黄沙について、厄介な物が大陸からやってくる、と思っていたら何と、黄沙が運ぶ鉄分が海の植物プランクトンを育んだり、納豆菌まで運ばれてくるらしいです。(3/31,読売新聞、編集手帳より)地球自身のサイクルには無駄がないのかもしれません。ウイルスとも戦いやっつけるという以外の視点も必要かもしれませんね。

それが何かはまだわかりませんが、人間自身の生活サイクルを見直すとか?

近所のツツジも、だいぶ花をつけてきました。

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